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…いわば官位は家格と一体のものとして扱われ,その高下は江戸城中の座席や礼法等の差異にもあらわれた。その他僧侶,神主,医者,職人等に対する官位があり,とくに地方の神主の叙任は吉田家が関与し,これをとくに宗源宣旨という。なお官位授与の礼として朝廷に金品を献納することを謝思,あるいは官金といい,これが朝廷側の枢要な臨時収入ともなっていた。…
…これら神社の祭神に位階を奉る理由について,崇敬の念によるのみならず,その位階にともなう位田を寄付する目的があってのこととみる説が,近世以降一般となっているが,定かではない。また,中世以降,〈宗源宣旨(そうげんせんじ)〉と称し卜部吉田家で各社祭神に位階を授け,神祇伯白川家よりも同様に授けているが,これは古代の制とはまったく別の性格のものである。【鎌田 純一】。…
…八角形の本殿に六角形の後殿を接続させたその奇妙な神殿には,すべての天神地祇,全国3000余社の神々を勧請し,兼俱は神祇長上(神祇管領長上,神道長上,神祇統領などともいう)を自称して白川家に対抗した。兼俱は,神祇長上を権威づけるために,その官職が平安時代末に始まったものといつわったことにみられるように,さまざまな策謀をめぐらして吉田家の力を伸ばし,宗源宣旨と称する文書を発行して全国の神社に位階を授け,神号を認め,神殿や祭礼に関する認可を与えるなどのことを行った。室町時代後期以降の,統一的な権威を求める歴史の流れに乗った吉田神道は,戦国大名の中にも受けいれる者が多く,兼俱の孫兼満,その嗣子兼右(かねみぎ)らの活動を経て近世にはさまざまな免許状の発行を通じて全国の神官のほとんどを傘下におさめるようになった。…
※「宗源宣旨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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