寒川鼠骨(読み)さむかわそこつ

精選版 日本国語大辞典 「寒川鼠骨」の意味・読み・例文・類語

さむかわ‐そこつ【寒川鼠骨】

  1. 俳人本名陽光(あきみつ)。愛媛県出身。三高中退。子規門人。子規の作品著述編集にあたり、また子規庵の保存につとめた。著書に「寒川鼠骨集」「正岡子規世界」などがある。明治八~昭和二九年(一八七五‐一九五四

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20世紀日本人名事典 「寒川鼠骨」の解説

寒川 鼠骨
サムカワ ソコツ

明治〜昭和期の俳人,写生文作家



生年
明治8年11月3日(1875年)

没年
昭和29(1954)年8月18日

出生地
愛媛県松山市三番町

本名
寒川 陽光

学歴〔年〕
三高中退

経歴
同郷の河東碧梧桐の紹介で正岡子規に師事し、句作する。明治29年大阪朝日に入社するが、のちに「日本記者となり、子規と親しく接した。写生文にすぐれており「ふうちゃん」「新囚人」などの作品があり、写生文集「寒川鼠骨集」まとめられている。子規の死後、「日本」を退社し、「医学時報」「日本及日本人」の編集に携ったが、大正13年以後は子規の遺稿編纂に力を傾け、「子規全集」「分類俳句全集」「子規千秋」「子規画日記」などを刊行晩年根岸の子規庵に住み、戦災後は復興に尽した。

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百科事典マイペディア 「寒川鼠骨」の意味・わかりやすい解説

寒川鼠骨【さむかわそこつ】

俳人。本名陽光(あきみつ)。愛媛県松山生れ。三高中退。新聞日本》の記者となり,正岡子規に俳句を学ぶ。写生文一家を成した。子規没後,子規庵を守り遺業の顕彰に尽くした。《寒川鼠骨集》のほか,子規関係の著や俳句入門書などがある。
→関連項目ホトトギス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒川鼠骨」の意味・わかりやすい解説

寒川鼠骨
さむかわそこつ
(1874―1954)

俳人。松山に生まれる。本名陽光(あきみつ)。京都の旧制三高在学中、京阪満月会に加わって句作を始めたが、中退して、『京都新聞』『大阪朝日新聞』を経て新聞『日本』に入り、正岡子規(しき)に就いた。子規没後句作を休止、写生文、紀行、随筆に専心し、晩年は根岸(ねぎし)子規庵(しきあん)保存に余生を賭(か)けた。著書に『寒川鼠骨集』(1930)、『正岡子規の世界』(1956)などがある。

[村山古郷]

 稲妻や月も出て居て雲奇なり

『『明治文学全集57 明治俳人集』(1975・筑摩書房)』


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「寒川鼠骨」の解説

寒川鼠骨 さむかわ-そこつ

1874-1954 明治-昭和時代の俳人。
明治7年10月31日生まれ。大阪朝日新聞社をへて,日本新聞社にはいり,正岡子規(まさおか-しき)に師事。写生文にもすぐれ「新囚人」「寒川鼠骨集」などをあらわす。「子規全集」などの刊行につくし,昭和3年以後子規庵の保存につとめた。昭和29年8月18日死去。79歳。愛媛県出身。第三高等学校中退。本名は陽光(あきみつ)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒川鼠骨」の意味・わかりやすい解説

寒川鼠骨
さむかわそこつ

[生]1875.11.3. 松山
[没]1954.8.18. 東京
俳人。本名,陽光 (あきみつ) 。第三高等学校を中退して新聞記者となり,正岡子規の門に入って写生文『新囚人』 (1901) で認められた。日本派の写生の方法を忠実に描写,子規の死後は子規庵を維持管理しつつ写生俳句の継承に努め,句誌『阿迦雲』を主宰して子規の遺風を守った。

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367日誕生日大事典 「寒川鼠骨」の解説

寒川 鼠骨 (さむかわ そこつ)

生年月日:1874年10月31日
明治時代-昭和時代の俳人;写生文作家
1954年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の寒川鼠骨の言及

【写生文】より

…表現にははじめ文語が用いられたが,しだいに口語体となり,時間的な流れを寸断した一つの場面を客観的に写生し,それをつづり合わせるという手法で時間の再現を試みた。子規没後,虚子,寒川鼠骨(さむかわそこつ)(1875‐1954),坂本四方太(しほうだ)(1873‐1917)らが力を注ぎ,写生文の名称も一般化した。小説での応用は,夏目漱石の《吾輩は猫である》(1905),《草枕》(1906),虚子の《風流懺法》(1907),伊藤左千夫の《野菊の墓》(1906),長塚節の《土》(1910)などにも見られる。…

※「寒川鼠骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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