対聯(読み)ツイレン

デジタル大辞泉 「対聯」の意味・読み・例文・類語

つい‐れん【対×聯】

漢詩対句ついく
掛け軸で対になっているもの。

たい‐れん【対×聯】

ついれん(対聯)

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精選版 日本国語大辞典 「対聯」の意味・読み・例文・類語

つい‐れん【対聯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (つい)になってならんでいること。
  3. 文章、漢詩などで対になっているもの。対句
    1. [初出の実例]「対聯比照に富み光彩陸離たる形容の文辞」(出典:海潮音(1905)〈上田敏訳〉ユウゴオ評)
  4. 掛軸などで対になっているもの。
    1. [初出の実例]「対聯(ツイレン)の風竹有声画、石泉無操琴の十字は何如璋の筆跡だそうだが」(出典黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)
    2. [その他の文献]〔紅楼夢‐第一回〕

たい‐れん【対聯】

  1. 〘 名詞 〙ついれん(対聯)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「対聯」の意味・わかりやすい解説

対聯
たいれん

「ついれん」とも読む。中国で門や柱などに貼(は)ったり吊(つ)るしたりする対(つい)になった文句のことで、「対子(たいし)」「対字(たいじ)」ともいう。「詩書継世長 忠厚伝家久」などというめでたい文字を赤い紙や板に二枚に書き分けて貼る。普通は、五言句、七言句であるが、四字句、六字句などもある。部屋の正面の左右にこれを掛け、真ん中には一枚ものの掛け物を掛けることも多い。入口、壁、祭壇に左右に分けて貼ったりもする。門柱門扉に貼るのは門聯、家の柱に貼るのは楹(えい)聯、新年を祝うものは春聯、結婚の祝いには喜聯、長寿を祝うものは寿聯弔問は輓(ばん)聯とよばれる。

清水 純]

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改訂新版 世界大百科事典 「対聯」の意味・わかりやすい解説

対聯 (たいれん)
duì lián

楹聯(えいれん)あるいは対子などとも言う。中国において,2句で一組の文句を,門の両側や家屋の内壁外壁などに書いたり,紙に書いて貼ったりしたもの。2句は,同一字数で,相対する漢字の内容,文法,音声みな相応して,美しく整っていなければならない。10世紀,五代の後蜀の皇帝孟昶(もうちよう)の作った,正月の〈春聯〉が最古と伝えられ,婚礼,名勝古跡の賛美自戒など,中国社会の特色ある風習として,現代でも広く行われている。

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普及版 字通 「対聯」の読み・字形・画数・意味

【対聯】ついれん

対句。

字通「対」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の対聯の言及

【春聯】より

…中国で,旧暦新年の〈春節〉を迎える際に,門柱や扉などの左右に赤い紙をはる習俗。対句を墨書するので対聯ともいう。その起源は,桃の木の板に神荼(しんと)・鬱塁(うつるい)2神の名を書いて門側にかけ魔よけとした〈桃符〉に発し,10世紀以後に蜀の王孟昶(おうもうちよう)が桃符の上にみずから〈新年納余慶 佳節号長春〉と書いたのが始まりとされる。…

※「対聯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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