春聯(読み)シュンレン(英語表記)chūn lián

デジタル大辞泉 「春聯」の意味・読み・例文・類語

しゅん‐れん【春×聯】

中国で、正月を祝うめでたい詩文を書いた赤い色の紙。門の両側入り口の戸などにはりつける。

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精選版 日本国語大辞典 「春聯」の意味・読み・例文・類語

しゅん‐れん【春聯】

  1. 〘 名詞 〙 中国で正月行事一つとして、めでたい対句赤色の紙に書きつけて、門や戸に貼りつけるもの。
    1. [初出の実例]「新しい春聯が家々の軒毎に貼られ、それがやがて北風に吹きめくられて」(出典:肉体の悪魔(1946)〈田村泰次郎〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「春聯」の意味・わかりやすい解説

春聯 (しゅんれん)
chūn lián

中国で,旧暦新年の〈春節〉を迎える際に,門柱や扉などの左右に赤い紙をはる習俗。対句を墨書するので対聯ともいう。その起源は,桃の木の板に神荼(しんと)・鬱塁(うつるい)2神の名を書いて門側にかけ魔よけとした〈桃符〉に発し,10世紀以後に蜀の王孟昶(おうもうちよう)が桃符の上にみずから〈新年納余慶 佳節号長春〉と書いたのが始まりとされる。商家では〈発福生財 大吉大利〉,寺院では〈境寂門天籟 心空転法輪〉などと書いたりしたが,現在では〈政策落実家家喜 安定団結処処紅〉などと時代を反映したものが多い。
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普及版 字通 「春聯」の読み・字形・画数・意味

【春聯】しゆんれん

門聯年越しに門にかける。〔燕京歳事記、春聯〕ち桃符なり。臘(らふ)(十二月)に入りてより以後、客、市肆(しし)の簷下(のきした)に在りて、春聯を書寫し、以て潤筆(書き料)を圖る。

字通「春」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「春聯」の意味・わかりやすい解説

春聯
しゅんれん

中国の新年の行事の一つ。門の戸に貼付(ちょうふ)する門聯の一種で、紅紙に吉祥(きちじょう)を表す対句を書いたもの。門聯は新居祝いや出産、結婚など祝い事のすべての慶事に張り出されるが、新年に際してのそれは、とくに区別されて春聯の名でよばれる。鬼を防ぐために、桃の木でつくった札に、神荼(しんと)と欝塁(うつらい)の2神を描いて、元日の門に立てた桃符の風習が転じたものと考えられる。「神荼・欝塁」という簡単なものから、「爆竹一声除旧、桃符万戸更新」「貞下起元梅萼先伝信色、静中含動桃符新換春来」などの文章がある。

[田所義行]

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世界大百科事典(旧版)内の春聯の言及

【正月】より

…この神はふだんから家人の素行に目を光らせており,この夜昇天して玉皇(道教の最高神)に1年間の調査結果を報告し,それによって新年の一家の吉凶が決まるという俗信があるので,告げ口をさせないために手厚く盛大に送るのである。それが終わるといよいよ年もおしつまり,人々は新しい灶王爺や門神(魔除けの神)や百分(ポーフエン)(天地の百神)の絵像を買いととのえ,春聯(しゆんれん)(めでたい対句を書いた赤く細長い紙)や〈福〉と書いた四角い紅紙を貼りつける。大晦日の夜になると年夜飯(年越しの食事)をいただき,守歳(年越しの徹夜)をして新年を待つ。…

【聯】より

…また漢字の韻の二つの区分たる〈平仄(ひようそく)〉に照らして,特に2・4・6字めは,竹(仄)・声(平)・歳(仄)のように交互に配置されねばならない。 聯の種類は多様で,正月用が春聯,死者の哀悼用が挽聯で,たとえば〈寿終徳望在 身去音容存(寿は終れど徳望在り 身は去れど音容存す)〉,結婚祝賀用が婚聯で,たとえば〈白頭偕老 同心永結(白頭 偕(とも)に老い 同心 永に結ぶ)〉,そのほか長寿祝賀用の寿聯,出産祝賀用の賀喜聯等々。名勝や古跡をたたえる聯ももとより極めて多く,〈竜游鳳舞中天瑞 風和月朗大地春(竜は游び鳳は舞い 中天に瑞(めでた)く 風は和かに月は朗かに 大地は春なり)〉は北京の故宮の聯,〈天辺晴雪天山出 不断風雲地極来(天辺の晴雪 天山より出で 不断の風雲 地極より来る)〉は甘粛省の玉門関の聯である。…

※「春聯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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