封禅(読み)ほうぜん(英語表記)Feng-shan

  • 封禅 fēng shàn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中国古代に帝王が行なった報天祭儀。は天を祀る儀式で,泰山の上に土壇をしつらえて行い,地神を祀るもので,ふもとの地でなされた。始皇帝 28 (前 219) 年泰山において皇帝が封禅したのが始りとされ,の武帝,後漢の光武帝の明帝,唐の玄宗,の真宗ら多くの帝王によって盛大に営まれている。封禅の意義は,初めは山神,地神に不老長寿国運長久を祈願するところにあったが,膨大な国費を投じて行われる国家的祭儀であったため,のちには次第に帝王の威武を誇示する政治的な祭儀へと形を変えていった。

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世界大百科事典 第2版の解説

中国の帝王がその政治上の成功を天地に報告するため,山東省の泰山で行った国家的祭典。〈封〉と〈禅〉は元来別個の由来をもつまつりであったと思われるが,山頂での天のまつりを封,山麓での地のまつりを禅とよび,両者をセットとして封禅の祭典が成立した。《史記》封禅書には,春秋斉の管仲のことばとして,有史以来,封禅を行った帝王は72人,そのうち管仲の記憶するところは12人であること,天命を受けたうえで封禅は行われること,封禅を行うためには祥瑞(しようずい)の出現が必要であること,が述べられているけれども,後世における仮託の説であろう。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 中国古代に天子が泰山で行なった祭礼で、山上に土壇をつくって天をまつることと、山の下で地を祓い清めて山川をまつること。天下太平を天に報ずる儀式だったが、のちには、あまり太平でないのに行なうことが多くなった。
※史記抄(1477)八「つよく謙譲めさるるほどに、終に封禅をはめされぬぞ」 〔管子‐封禅〕

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

中国の祭祀 (さいし) の1つ
天命を受けた皇帝が山東省泰山 (たいざん) のに天を祭り(封),の小丘梁父で地を祭って(禅),王朝国家の成立と永続を祝福する。『史記』にその起源を伝えるが,確実には秦の始皇帝が最初。前漢の武帝,後漢の光武帝,唐の玄宗などが実施した。

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世界大百科事典内の封禅の言及

【壇】より

…歴代の皇帝は,天命を受けて政をしく天子として,上帝をまつってその功徳に報ずる儀式を行うのがつねであった。その祭祀には,とくに霊山聖域を選んで行う封禅(ほうぜん)と,主として都城の郊外で行われる郊祀とがあった。封禅は,山上に土を盛り壇を築いて天をまつる封拝と,山下に土を平らにし塼(ぜん)(また壇,禅)をつくって地をまつる禅祭とを併称する。…

※「封禅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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