「じのかみ」「じちんさま」ともいう。土地の神、百姓の神、農業の神として信じられているが、その神格は複雑である。屋敷神として祀(まつ)られている例も多く、藁宮(わらみや)をつくり毎年新藁で葺(ふ)き替えている。地神講という講で祀っている所が多く、春秋の社日(しゃにち)を祭日としている。宿に集まって地神の掛軸を掛け、御神酒(おみき)、赤飯、そばなどを供えて祀っている。この日は農作業は休みとし、鍛冶屋(かじや)が鍬(くわ)、鎌(かま)などの農具を売りにきた所もあった。地神は農神(のうがみ)として、田の神と同じく去来伝承が語られている。大分県日田(ひた)市地方では2月サジの日(社日)に作神様が天から降(くだ)り、秋のサジの日に天に昇るという。神が降ると暖かくなり、去ると寒くなるといわれている。埼玉県や静岡県には、人が死んで三十三回忌を終えると地神様になる、という先祖の神としての信仰がみられる。鹿児島地方などには地神を同族神のように考えている例がみられる。11月に同族が祭を営んでいる。奈良県吉野郡十津川(とつかわ)村の玉置川(たまいがわ)地区では、家を建てるとき屋敷を守る神として、地の神を山伏に頼んで屋敷の真ん中に封じ込んだという。各地の地神には、堅牢(けんろう)地神とか地神塔とかの文字を彫った石神がみられる。
[大藤時彦]
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…ともに地主神を守護神としてまつった例である。また,民間では〈地神(じがみ)〉〈地主様(じぬしさま)〉と称して,屋敷神とか土地開拓の神,あるいは先祖の霊などをまつった例がしばしば見られる。土地神【大井 鋼悦】。…
…人が死ぬと,魂はまず城隍廟,土地廟に赴くと信じられたから,遺族はすぐ廟へいって廟神を拝し,紙銭を焼いた。土地神への信仰は後漢末・六朝時代からすでに見られ,道教にも取り入れられた。唐・宋時代には全国に広まり,各地に土地廟が建立されるようになった。…
…陰陽道(おんみようどう)における地神。土公ともいう。…
※「地神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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