明治以前の日記のうち,主要なものを校訂出版した叢書。東京大学史料編纂所編。1952年刊行開始。現在も刊行継続中。史料編纂所では《大日本史料》の出版を長年継続しているが,この事業を行ううちに,各時代の主要な日記その他の古記録の整理・刊行が望まれるようになった。第2次世界大戦中から準備されたこの企画は,戦後,既刊書のある日記でも,新しい善本や大幅な追加を要する部分が出現した場合には,積極的に採り上げることとし,藤原道長の《御堂関白記》から出版を開始した。以後《小右記》《貞信(ていじん)公記》《九暦》《後二条師通記》《殿暦》《猪熊関白記》《民経記》《後愚昧記》《建内記》《言経卿記》などの貴族の日記,《臥雲日件録》《蔗軒日録》の禅僧の日記のほか,《上井覚軒日記》《新井白石日記》《梅津政景日記》《江木鰐水日記》を刊行。それぞれ最終冊に索引・年譜・解題を付ける。
執筆者:益田 宗
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東京大学史料編纂所(へんさんじょ)が編纂している日本歴史の史料叢書(そうしょ)。各時代の代表的な日記その他の古記録を集める。同所が『大日本史料』『大日本古文書』などに加えて、1952年(昭和27)より刊行を開始した。自筆原本か、そうでなくても最良の底本によって厳密に校訂し、逸文などをも収め、できる限りの復原を図る。人名・地名に傍注を施し、内容の見出しを上部欄外に標記し、巻末に解題や索引などをつけている。岩波書店発行。既刊分は時代順に、『貞信公記(ていしんこうき)』、『九暦(きゅうれき)』、『小右記(しょうゆうき)』、『御堂(みどう)関白記』、『御二条師通記(ごにじょうもろみちき)』、『殿暦(でんりゃく)』、『猪隈(いのくま)関白記』、『民経記(みんけいき)』(未完)、『後愚昧記(ごぐまいき)』(未完)、『建内記(けんないき)』、『臥雲日件録抜尤(がうんにっけんろくばつゆう)』、『蔗軒(しゃけん)日録』、『上井覚兼(うわいかくけん)日記』、『言経卿記(ときつねきょうき)』(未完)、『梅津政景(うめづまさかげ)日記』、『新井白石(あらいはくせき)日記』、『江木鰐水(えぎがくすい)日記』である。今後『岡屋(おかのや)関白記』『二水記(にすいき)』などの刊行予定がある。
[菅原昭英]
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東京大学史料編纂所が編纂刊行している史料集。各時代・各階層の主要な日記を,原本もしくは最良の写本を底本に用い,厳密な校訂を加え注や標出を付して翻刻する。各記録には伝来・諸本などについてのべた解題,記主の年譜・略系,索引などを付す。1952年(昭和27)刊行開始,2015年(平成27)3月現在,既刊133冊。収載書目(一部続刊中)は,「貞信公記」「九暦」「小右記(しょうゆうき)」「御堂関白記」「後二条師通記」「中右記」「殿暦」「愚昧記」「猪隈関白記」「岡屋関白記」「民経記」「深心院関白記」「実躬卿記」「続深心院関白記」「後愚昧記」「建内記」「薩戒記」「碧山日録」「臥雲日件録抜尤」「蔗軒日録」「二水記」「後法成寺関白記」「上井覚兼日記」「言経卿記」「梅津政景日記」「新井白石日記」「斎藤月岑日記」「江木鰐水日記」。
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