(ロバート・キャンベル)
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江戸後期の国学者。武蔵国多摩郡上小山田村の生れ。父は田中本孝。通称六郎左衛門。字は文儒。号は松屋,知非斎,報国恩舎,擁書倉など。1803年(享和3)江戸の豪商高田家の養子となる。漢学を古屋昔陽に,国学を村田春海に学ぶ。その学は古今和漢にわたり,考証学を得意とした。平田篤胤,伴信友と並び春海,加藤千蔭以後の三大家と称せられる。のち水戸斉昭の命により史館に出仕,また華頂宮尊超親王のため講筵を開き,その臣下にも加えられた。都下第一の蔵書家(5万巻)としても知られ,当時多くの文人,学者がその家に集まった。著書も《十六夜日記残月抄》《更級日記考証》《松屋筆記(まつのやひつき)》など,すこぶる多い。
執筆者:南 啓治
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江戸後期の国学者。武蔵(むさし)国多摩郡小山田村(東京都町田市上小山田)の郷士田中本孝の子。24歳のとき江戸・神田(かんだ)花房町(東京都千代田区外神田)の見沼川運漕主事高田家を嗣(つ)ぐ。字(あざな)は文儒。通称六郎右衛門、のち将曹。松屋、知非斎と号す。46歳で隠居後、小山田姓を称す。蔵書家として知られ、『松屋筆記』(1845ころ成立)、『松屋叢話(そうわ)』(1814刊)など多数の著書がある。とくに古典の事項索引『群書捜索目録』(成立年未詳)は注目すべき業績である。蔵書は彰考館(しょうこうかん)に、稿本類は国会図書館、早稲田(わせだ)大学、静嘉堂(せいかどう)文庫などに所蔵。弘化(こうか)4年3月25日没。65歳。墓は東京都豊島(としま)区駒込(こまごめ)の染井霊園に現存。高田早苗(さなえ)はその子孫。
[梅谷文夫]
『大川茂雄・南茂樹編『国学者伝記集成』(1904・大日本図書/復刻版・1967・名著刊行会)』
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…近世まで鯨は荒巻(あらまき)にして中央へ送られることが多く,肉は汁の実,刺身,あえ物など,かぶら骨はなますやあえ物,内臓はいろいろに調理して賞味された。天保3年(1832)刊の《鯨肉調味方(げいにくちようみほう)》は鯨の部位のすべてについてその食味と調理を記した奇書で,小山田与清の筆になるとされる。もっとも美味とされる〈尾の身(おのみ)〉は尾に近い部分の背肉で,霜降り状に脂があって軟らかく,刺身として珍重される。…
…しかし全体としては,国学者などを中心にあくまで肉食を不浄視する保守派のほうが多く,幕末にいたるまで肉食の是非についての論議が盛んに行われた。その一人,天保期国学の大家とされる小山田与清(おやまだともきよ)は《鯨肉調味方(げいにくちようみほう)》という鯨料理一式の本の著者に擬せられてもいるが,大の肉食反対論者で,〈文化文政年間より以来,江戸に獣肉を売(うる)家おほく,高家近侍の士もこれを噉(くらう)者あり。猪肉を山鯨と称し,鹿肉を紅葉と称す。…
…江戸後期の国学者小山田与清(ともきよ)の手になる辞書風随筆。120巻。…
※「小山田与清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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