少子化(読み)ショウシカ

デジタル大辞泉 「少子化」の意味・読み・例文・類語

しょうし‐か〔セウシクワ〕【少子化】

出生率低下に伴い、総人口に占める子供の数が少なくなること。統計的には、合計特殊出生率女性一生の間に産む子供の数)が人口置換水準(長期的に人口が増減しない水準)に達しない状態が続くこと。
[補説]日本では昭和48年(1973)の第2次ベビーブーム最後ピークとして出生率が低下しはじめ、昭和50年(1975)以降、人口の安定に必要な水準を下回った状態にある。これを受け、平成15年(2003)に少子化社会対策基本法成立・施行された。

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精選版 日本国語大辞典 「少子化」の意味・読み・例文・類語

しょうし‐かセウシクヮ【少子化】

  1. 〘 名詞 〙 子どもを少なく持つ傾向。また、その結果子どもの数が少なくなる傾向。

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百科事典マイペディア 「少子化」の意味・わかりやすい解説

少子化【しょうしか】

出生率が低下し子供の数が少なくなること。先進国にみられる一般的な減少だが,とくに日本ではこの傾向が強く,1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は戦後の1950年が3.65であったが,近年では1996年が1.43,2005年が1.25であり,少子化が続いている。男女とも初婚年齢が高くなっていることや,結婚後も働く女性が増えていること,男性の家事・育児への参加が少ないこと,子育てへの公的支援が不十分なこと等が要因とされている。国は1994年に〈エンゼルプラン〉を策定,2003年には少子化社会対策基本法と次世代育成支援対策推進法を成立させるなどさまざまな取組みを行った。しかし少子化の傾向は変わらず,2005年の推計では出生数は死亡者数を約1万人下回り,日本の総人口が減少傾向に入ったことが指摘されている。2008年の時点では,出生数はやや増加したが,2009年は不況の影響もあり,再び急落する可能性が懸念されている。少子化傾向にある各国では,子どもを増やしたくない理由として子育て,教育にお金がかかるから,という理由が共通している。2009年9月に発足した鳩山由紀夫内閣は,公約としてかかげた子ども手当の支給を2010年4月に実施,子ども手当は,少子化対策の一つとしても位置づけられている。→高齢化社会
→関連項目育児・介護休業法校内暴力少子化社会対策基本法生活支援サービス業

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「少子化」の意味・わかりやすい解説

少子化
しょうしか

子供の数が減少すること,またより狭義に一国の人口動態を把握するための概念としては,合計特殊出生率が人口規模を維持するために必要な人口置換水準を下回ること。2016年現在,日本の人口置換水準は 2.07だが,2015年5月に厚生労働省が発表した人口動態統計で,合計特殊出生率は 1.46と人口置換水準を下回る傾向が続いた。このまま少子化が進行すれば,日本の総人口は 2048年には 1億人を割り,2060年には 8600万人台まで減少することが見込まれており,同時に高齢化(→高齢化社会)の進行が予期されることから,生産年齢人口(15~64歳人口)の相対的低下と,それにともなう社会保障費負担増や社会の活力の低下などが懸念されている。先進諸国(アメリカ合衆国イギリスイタリアスウェーデン,ドイツ,フランス)の合計特殊出生率は,1960年代まではすべての国で 2.0以上だったが,1970年代頃に低下傾向となった。だが 1990年頃からは,スウェーデンやフランスなど出生率が回復する国もみられるようになった。先進諸国では,1980年代までは女性就労率が上昇すると出生率が低下することが多かったが,1990年代以降は女性就労率が上昇すると出生率も上昇するという,正の相関関係がみられるようになった。とりわけ北ヨーロッパ諸国やフランスなど,社会保障における家族関係支出割合が高く,女性の雇用環境が安定しており,出産・育児と就労が両立しやすい国に出生率回復の傾向がある。一方,日本では 21世紀初めに第1子出産を機に 6割の女性が離職するなど,女性の出産・育児と就労の両立困難な状況が指摘された。

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大学事典 「少子化」の解説

少子化
しょうしか
sub-replacement fertility

日本の出生数は,1970年代前半の第2次ベビーブーム時に約200万人と横ばいで推移し,それ以降激減している。国立社会保障・人口問題研究所によれば,2060年の出生数は48万人と推計されており,この数は第2次ベビーブームの4分の1にあたる。このような急激な人口減少に伴い,18歳をターゲットとする高等教育人口は大幅な縮小となる。入学者数と志願者数の比からなる大学収容率はすでに充足され,大学間の学生獲得競争は激化し,定員割れ・経営破綻など,大学の淘汰が今後急速に進むことが予測されている。大学は,経営上の観点から,改組・転換・再編など内部改革を進め,若年層のみならず,社会人,高齢者や留学生など多様な学生の獲得を志向するようになる。大学によっては,入学制度や履修形態を一層弾力化し,開放化を進め,大学の機能や役割の一部が社会人の再教育などの生涯学習を提供するものへとシフトする可能性がある。
著者: 岩崎久美子

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