日本の鳥類研究,鳥類保護の中心的役割を担う研究機関で,財団法人。前身は1932年に山階芳麿が渋谷区南平台の私邸の一角に建てた山階家鳥類標本館。42年財団法人山階鳥類研究所となり,標本や文献を公開,若い学徒やアマチュアに研究の場を提供した。戦後,焼け残った研究所は,学問に理解のあったアメリカ軍将校の配慮で接収をまぬがれ,小さな建物に動物分類学会,生物地理学会,東亜蜘蛛(くも)学会,野鳥の会,鳥類保護連盟など多数の学界関係機関が身を寄せての再起をはかった。研究所は戦前,戦後を通じて多くの鳥類研究者を育て,数々の業績をあげたが,1980年代に入ると,建物の老朽化,面積不足,職員の増加,財政逼迫(ひつぱく)などいくつかの難問が山積し,ついに移転を余儀なくされた。84年11月,南平台の敷地を売却して,千葉県我孫子市高野山(こうのやま)の一角に建物を落成し,新しい研究体制を整えた。現在,所蔵標本6万9000点,蔵書3万9000冊,職員約20名。鳥学に関する基礎研究,応用研究をするほか,環境省からの委託事業として,日本産鳥類の標識づけを請け負っており,年間約20万の鳥類に足輪,首輪などの標識をほどこして放鳥している。
執筆者:柴田 敏隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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