水道の布設および管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、水道事業を保護育成することによって、清浄で豊富低廉な水の供給を図り、公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする法律。昭和32年法律第177号。1890年(明治23)以来67年間にわたって水道行政を規制してきた旧「水道条例」にかわって制定された。水道法の規制の対象となる水道は、「導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体」であり、いわゆる「上水道」に限られる。本法では、水道経営の形態を、水道事業、水道用水供給事業、専用水道、簡易専用水道に区分し、それぞれについて必要な規制を加える。また、事業用水道および専用水道などのすべてを通じて、水道によって供給される水は、一定の水質基準を備えていること、水道施設も一定の施設基準を満たしていることが要求される。
[宮田三郎]
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…河水の水道会社では取水点を少しずつ上流へ移設したが,それだけでは対処しえなかった。1852年にロンドンで〈首都水道法〉が公布され,その要点は,テムズ川からの取水はロンドンの30km以上の上流に限る,河川水はろ過してから給水すべし,5年以内に常時給水を達成すべし(それまでは時間給水)というものであったが,市内の水道が実質的にこの法律のようになったのは70年以降である。産業革命による都市への集住と都市河川の汚染が新しい水道の必要を生み,同時に産業革命が技術開発力,新しい手段(蒸気動ポンプ,鋳鉄管)と資金力を生み出したといえる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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