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巴形銅器 ともえがたどうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巴形銅器
ともえがたどうき

弥生時代から古墳時代中期にかけて使用された青銅製の装飾金具の一種。中空の半球形をした体部の周囲に突出した4~9本の扁平な脚状装飾を有し,全体の形が巴の形に似るところから呼ばれる。弥生時代のものは,左曲りの6~9本の脚があり,古墳時代になると,普通右曲りの4脚となる。古墳時代のものは革盾の装飾金具として使用されたことが知られている。朝鮮半島南部の加羅の墳墓からも発見され,当時の文化交流のあり方を示すものとして注目されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

巴形銅器

円形の胴体からつめのような複数の脚が放射状に生えた青銅器弥生時代後期から古墳時代中期にかけてみられ、弥生時代の有力者の墓から副葬品としても見つかっている。古墳時代のものは木盾につけた装飾品とみられている。独特の形が何を模したかについては、南海産貝のスイジガイの外形、ゴホウラという貝の断面模様、太陽など諸説ある。権威の象徴のほか、邪悪なものを払う性格も指摘されている。

(2009-11-27 朝日新聞 夕刊 文化)

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世界大百科事典 第2版の解説

ともえがたどうき【巴形銅器】

武具に装着した飾金具の一種で,弥生時代から古墳時代にわたって遺品がある。中空で裏面に留棒を鋳出した円錐体の周囲に,数個の扁平な脚状装飾の突出した形で,4脚に作ったものは卍(まんじ)形を呈するところから,卍形銅器の意味で巴形銅器と呼ぶ。大型のものは径12cmあるが,5~6cmをふつうとする。裏面に留棒を鋳出した円形の飾金具は中国北部の青銅器文化に多いが,巴形の脚をもつものは日本以外にはない。弥生時代の巴形銅器は7脚あるいは6脚で,脚は左旋し,中心部は截頭円錐形か半球形である。

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大辞林 第三版の解説

ともえがたどうき【巴形銅器】

弥生・古墳時代の青銅製飾り金具の一。中空・半球状の本体から巴形に湾曲する数本の脚が出る。革製の盾たてや靫ゆきに装着した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

巴形銅器
ともえがたどうき

弥生(やよい)時代から古墳時代にみられる青銅製飾り金具。中空の半球形、円錐(えんすい)台形の座に偏平な曲状支脚が派生している。古墳時代には四脚式が普通であるところから卍(まんじ)字形銅器とも称される。弥生時代には7、6、5脚式があり、左捩(ひだりよじ)りを原則としている。分布は、西は対馬(つしま)、九州から東は神奈川県に及んでいる。古くは弥生時代後期の甕棺(かめかん)より、新しくは5世紀前半の古墳よりそれぞれ発見されている。弥生時代の出土例は、墳墓の副葬品、単独一括埋蔵品、貝塚・集落などからの発見例などがあり、1遺跡から1~3個発見の場合が多いが、8個一括埋蔵の場合もある。古墳からは革盾(かわたて)に着装された発見例がある。スイジガイ(水字貝)の形態に起源する呪具(じゅぐ)説が有力である。[小田富士雄]

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