帝釈峡(読み)たいしゃくきょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

帝釈峡
たいしゃくきょう

広島県北東部、庄原(しょうばら)市と神石(じんせき)郡神石高原町の境界を流れる帝釈川の峡谷。吉備(きび)高原の石灰岩台地を帝釈川が侵食したもので、延長約20キロメートルにわたって100メートルを超える断崖(だんがい)絶壁、雄橋(おんばし)・雌橋(めんばし)などの自然橋、奇岩怪石、急淵(きゅうえん)、深淵を見ることができる。白雲洞や薬師洞などの鍾乳(しょうにゅう)洞もある。峡谷のほぼ中央には大正時代につくられた帝釈川ダムの貯水池神竜湖(しんりゅうこ)があり、遊覧船や休暇村がある。「帝釈川の谷(帝釈峡)」として国の名勝に指定されており、また比婆道後帝釈国定公園(ひばどうごたいしゃくこくていこうえん)の一中心でもある。なお峡谷一帯には、帝釈観音堂洞窟(かんのんどうどうくつ)遺跡、帝釈寄倉岩陰(よせくらいわかげ)遺跡など旧石器・縄文・弥生(やよい)時代の遺跡が多く分布する。JR伯備線東城駅などからのバス便がある。

[北川建次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

帝釈峡
たいしゃくきょう

広島県北東部,東城川の支流帝釈川峡谷名勝吉備高原の一部をなす石灰岩台地浸食してできたもので,約 20kmにわたって奇岩深淵鍾乳洞,自然橋などが続き,変化に富む雄大な風景美を誇る。特に自然橋の雄橋 (おんばし) は高さ 40m,幅 10m,長さ 100mに及び天然記念物。橋の下流約 6kmは,1920年代の発電所建設に伴い人工湖神竜湖となった。寄倉岩陰遺跡 (史跡) をはじめ先史遺跡が多い。新緑紅葉の頃は特に美しい。比婆道後帝釈国定公園に属する。

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百科事典マイペディアの解説

帝釈峡【たいしゃくきょう】

広島県北東部,東城川の支流帝釈川の峡谷。東城町(現・庄原市)永明寺から神石町(現・神石高原町)の神竜湖ダム下流に至る約20kmで,石灰岩台地を貫き,谷の深さは100〜200mに及び,急崖,奇岩,深淵,鍾乳(しょうにゅう)などが連なる。比婆道後帝釈国定公園に含まれ,芸備線東城駅からバスが通じる。
→関連項目神石[町]東城[町]

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精選版 日本国語大辞典の解説

たいしゃく‐きょう ‥ケフ【帝釈峡】

広島県北東部、吉備高原を流れる帝釈川の峡谷。延長約二〇キロメートル。帝釈川が石灰岩台地を浸食して形成した雌橋(めんばし)・雄橋(おんばし)などの奇岩や比高一〇〇メートルを超える岩壁がそびえ、谷壁には白雲洞などの石灰洞がある。比婆道後帝釈国定公園の一部。

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世界大百科事典 第2版の解説

たいしゃくきょう【帝釈峡】

広島県北東部,比婆(ひば)郡東城町と神石郡神石町にわたる石灰岩台地を刻んで流れる帝釈川の峡谷。1923年国の名勝に指定され,63年比婆道後帝釈国定公園に編入された。地質帝釈石灰岩と呼ばれる石炭紀,二畳紀の石灰岩層で,主体をなす石灰岩のほか基底に玄武岩質溶岩,玄武岩質凝灰岩を伴う。成因については,海底火山丘上に生成した礁石灰岩とする見解が最近有力である。帝釈石灰岩地域は第三紀鮮新世末までに浸食平たん面化され,後に隆起して標高500~600mの帝釈台地となった。

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