〈ちょうがい〉ともいう。江戸中期以降,行跡悪く親や兄弟,親類などに難題がかかるのをさけるため,〈宗門人別帳〉からはずして,村を追放された者などをいう。無宿ともいう。当時は刑罰が連座制であるため,不法行為を行うおそれのある子をもった親は,その子を勘当し,さらに人別帳からの抹消を願い出て公認されると,その子は帳外となる。18世紀末の天明期(1781-89)ごろから勘当が同時に帳外となるようになり,19世紀初頭の文化期(1804-18)ごろからは勘当されていない要注意者を村役人が帳外扱いをして,人別帳に札をつけておくところから,〈札つき〉の称がおこったという。
なお,江戸初期には検地帳に登録されない農民を〈帳外〉と称した。地域によりさまざまの呼び方があるが,いずれも名請人でない隷属身分の者のことである。
執筆者:森 安彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「ちょうはずれ」とも読む。江戸時代、行く末見届けがたい者から被るべき後難を免れるために、村方でその者を人別(にんべつ)帳から除くこと。その目的において久離(きゅうり)と一致するが、久離は親族関係を断絶するために目上の親類が行うのに対し、帳外は村方で行ったものである。両者は別であるから、親類から久離を願い出ても、村方から帳外を願い出ないこともあった。帳外は、村方で、その者の親族と相談のうえ、領主・地頭(じとう)あるいは代官に願い出て、その許可を得て行われる。帳外された者を無宿という。無宿に対して、人別帳に記載されている者を有宿という。帳外の取消しには、領主・地頭・代官の許可を要した。なお、江戸初期には、検地帳に記載されない農民のことを広く帳外と称した。
[石井良助]
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…無宿ともいう。当時は刑罰が連座制であるため,不法行為を行うおそれのある子をもった親は,その子を勘当し,さらに人別帳からの抹消を願い出て公認されると,その子は帳外となる。18世紀末の天明期(1781‐89)ごろから勘当が同時に帳外となるようになり,19世紀初頭の文化期(1804‐18)ごろからは勘当されていない要注意者を村役人が帳外扱いをして,人別帳に札をつけておくところから,〈札つき〉の称がおこったという。…
…江戸時代,百姓・町人などで人別帳から除かれ(帳外(ちようはずれ)という),居所を定めず放浪し,無頼を働く者を無宿といい,やくざ仲間や犯罪人などは生国を冠して,上州無宿何某などと呼んだ。その原因は多様であるが,貧窮による欠落(かけおち)や家出のほか,親から久離,勘当されたり,博打(ばくち),窃盗,刃傷(にんじよう),失火などの罪によって軽追放,所払(ところばらい)などの刑に処せられた場合などがある。…
※「帳外」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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