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帷幄上奏 いあくじょうそう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

帷幄上奏
いあくじょうそう

明治憲法下で,軍の統帥に関する事項について,陸軍参謀総長,海軍軍令部長 (軍令部総長) ,陸軍大臣海軍大臣は,閣議を通さず直接に大元帥である天皇に上奏した。憲法慣習として,統帥権は政府の意思から独立しており,それが軍の政治力を確保する手段として大いに役立った。

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デジタル大辞泉の解説

いあく‐じょうそう〔ヰアクジヤウソウ〕【××幄上奏】

明治憲法のもとで、陸海軍大臣・参謀総長(陸軍)・軍令部総長(海軍)などが軍機・軍令について、閣議を経ずに直接天皇に上奏したこと。

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百科事典マイペディアの解説

帷幄上奏【いあくじょうそう】

明治憲法時代において統帥権(とうすいけん)の独立の原則に基づき統帥事務に関し天皇の許可(勅裁(ちょくさい))を受ける必要がある場合,参謀総長(陸軍),軍令部総長(海軍),陸海軍大臣ら軍令機関が内閣総理大臣を経ずに直接天皇に上奏すること。

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世界大百科事典 第2版の解説

いあくじょうそう【帷幄上奏】

旧陸海軍の統帥機関が統帥事項(軍令事項)に関して首相(国務大臣)の輔弼(ほひつ)を経ずに直接天皇に上奏すること。帷幄とは,陣営に用いる幕の意から転じて,作戦計画をする場所を意味した漢語。その実質は法制化される以前,1878年の参謀本部太政官政府からの独立で始まり,85年太政官制廃止にともなう内閣職制によって参謀本部長の帷幄上奏権が認められていた。明確に法制化されたのは89年の内閣官制で,〈事ノ軍機軍令ニ係リ奏上スルモノハ天皇ノ旨ニ依リ之ヲ内閣ニ下付セラルノ件ヲ除クノ外陸海軍大臣ヨリ内閣総理大臣ニ報告スヘシ〉(7条)と明記された。

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大辞林 第三版の解説

いあくじょうそう【帷幄上奏】

明治憲法下で、陸軍の参謀総長、海軍の軍令部総長などが、内閣から独立して軍機・軍令に関する事項を天皇に直接上奏したこと。軍部の政治介入の要因となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

帷幄上奏
いあくじょうそう

近代天皇制(明治憲法)下で、軍機・軍令に関して内閣から独立して行われた上奏をいう。陸軍参謀総長、海軍軍令部長、教育総監等軍務の中央機関と陸海軍大臣が行った。帷幄とは、軍を指揮し作戦をめぐらす本陣のことで、陸海軍を統帥する大元帥である天皇に対して、軍務の中央機関が行う上奏であることから、戦陣にちなんで帷幄上奏と通称された。陸海軍大臣の帷幄上奏は、1889年(明治22)内閣官制第7条で制度化され、軍機・軍令に関する事項は、内閣の議を経ずに直接上奏し、裁可を得たのち内閣総理大臣に報告すると定められた。一般の大臣は、内閣総理大臣を経て、あるいはその許可を得て上奏することとなっていたから、陸海軍大臣は特例として独立の上奏権を認められていたことになる。しかし、軍機・軍令の範囲は明確ではなく、陸軍は、軍政に関する事項をも含め、軍事行政官庁、軍学校の組織に関する事項も帷幄上奏事項とした。海軍も陸軍に倣って帷幄上奏事項をしだいに拡大したため、帷幄上奏をめぐって陸海軍と内閣の間で紛争が起こった。帷幄上奏の結果、天皇が発した直接の命令は、「勅を奉じ……を命令す」という形式で伝達され、奉勅命令と称された。[村上重良]

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