日本大百科全書(ニッポニカ) 「幌加内」の意味・わかりやすい解説
幌加内(町)
ほろかない
北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内の町。1959年(昭和34)町制施行。地名はアイヌ語「ホロカナイ」(逆流する川の意)を語源とし、町内を南流する雨竜(うりゅう)川本流の方向と逆行する支流の幌加内川に由来する。町域は石狩(いしかり)川の大支流雨竜川の中・上流河谷に沿って南北に細長く、冬季多雪で知られる。国道239号、275号が通じる。JR深名(しんめい)線は1995年(平成7)廃止、バスに転換した。雨竜川は中流部で峡谷をなすため、道路は南部を北流する幌加内川流域から入り、大正年間からの入植もこれによった。林業、ダム建設、農業開拓などで一時は人口1万2000(1955)を数えたが、1960年ごろから森林資源の枯渇と離農者の増加により著しく人口が減少した。主産業は雨竜川中流域の米作と上流域の畑作・酪農を主とし、稲作からの転換作物としてはソバ、野菜、花卉(かき)がある。ほかに木材加工業が行われる。最上流の朱鞠内(しゅまりない)には雨竜第一ダム用の人造湖朱鞠内湖があり、周囲を北海道大学雨龍研究林に囲まれ、朱鞠内道立自然公園に指定されており、周辺に宿泊施設やキャンプ場が整備されている。面積767.04平方キロメートル、人口1370(2020)。
[柏村一郎]
『『幌加内町史』(1971・幌加内町)』