幻想交響曲(読み)げんそうこうきょうきょく(英語表記)Symphonie fantastique

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

幻想交響曲
げんそうこうきょうきょく
Symphonie fantastique

ベルリオーズの「ある芸術家の生涯のエピソード」という副題をもつ標題交響曲 (→標題音楽 ) 。 op.14。 1830年作。女優ハリエット・スミスソンに対する恋の情熱と絶望とを描く。主人公である音楽家の幻想に現れる女性を表わすメロディーを,固定楽想として交響曲の中心においている。全5楽章。

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デジタル大辞泉の解説

げんそうこうきょうきょく〔ゲンサウカウキヤウキヨク〕【幻想交響曲】

《原題、〈フランス〉Symphonie fantastiqueベルリオーズ作曲の交響曲。全5楽章。1830年パリで初演。失恋した青年芸術家の阿片による幻想を描写したもので、標題音楽の代表作。

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百科事典マイペディアの解説

幻想交響曲【げんそうこうきょうきょく】

ベルリオーズの交響曲。《Symphonie fantastique》。1830年作曲。英国の舞台女優ハリエット・スミッソン〔1800-1854〕に対する絶望的な恋の苦悩から生まれたといわれる自画像的作品で,〈ある芸術家の生活のエピソード〉という副題をもつ。ベルリオーズの〈標題交響曲〉第1作であり,この作品で用いられた〈固定楽想〉の手法はその後の作曲家に大きな影響を与えた。→ハープ

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デジタル大辞泉プラスの解説

幻想交響曲

フランスの作曲家エクトール・ベルリオーズの交響曲(1830,31)。原題《Symphonie fantastique》。『ある芸術家の生涯の物語』という副題を持つ。自身の失恋体験に基づいて作曲された。ベルリオーズの代表作の一つ。

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世界大百科事典 第2版の解説

げんそうこうきょうきょく【幻想交響曲 Symphonie fantastique】

H.ベルリオーズが作曲した五つの交響的作品のうちの最初のもので,代表作とされている。作品14a。1830年作曲,同年12月5日にパリ音楽院においてアブネックFrançois Antoine Habeneck(1781‐1849)の指揮で初演された。〈ある芸術家の生活のエピソード〉という副題をもち,五つの楽章のそれぞれに〈夢,情熱〉〈舞踏会〉〈野辺の風景〉〈断頭台への行進〉〈魔女の宴の夢――魔女のロンド〉のタイトルが与えられている。

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大辞林 第三版の解説

げんそうこうきょうきょく【幻想交響曲】

ベルリオーズの標題交響曲。1830年初演。「ある芸術家の生涯の挿話」という副題がある。失恋し、阿片自殺をはかった青年芸術家が昏酔こんすい状態のなかで見る奇怪な幻想を内容とする。標題交響曲中最も成功したものといわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

幻想交響曲
げんそうこうきょうきょく
Symphonie fantastique

フランスのベルリオーズが作曲した交響曲ハ長調(作品14のa)。1830年パリ初演。この作品は、絶対音楽の代表的形式である「交響曲」に「標題音楽」の要素を徹底して取り入れた例として、西洋音楽史に特別の位置を占めている。「1人の芸術家の生涯のエピソード」Episode de la vie d'une artisteという副題をもち、作曲者の、イギリスのシェークスピア劇団の女優ハリエット・スミスソンへの熱烈な思慕が作品誕生の原動力となっている。失恋した芸術家の阿片(アヘン)による幻想を描写した音楽で、五つの楽章は(1)夢、情熱、(2)舞踏会、(3)野の風景、(4)断頭台への行進、(5)魔女の夜宴の夢―魔女のロンド、という標題をもっている。音楽構成上の特徴としては、恋人を表す固定楽想ide fixeを全楽章に使用して作品の統一性を図っていることと、オーケストラの表現領域を飛躍的に拡大した多彩な管弦楽法とがあげられる。[三宅幸夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

げんそうこうきょうきょく ゲンサウカウキャウキョク【幻想交響曲】

(原題Symphonie fantastique) ベルリオーズ作曲、作品一四の交響曲。一八三〇年パリ初演作。「ある芸術家の生涯のエピソード」の副題をもち、女優ハリエット=スミスソンを示す固定楽想(idée fixe)を用い、彼女への愛情を熱情的、幻想的に構成した標題音楽の典型的な作品。

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世界大百科事典内の幻想交響曲の言及

【交響曲】より

…シューマンは第1番《春》(1841)や第3番《ライン》(1850),第4番(1841,改作1851)などで,ピアノ的な発想と語法を背景として,文学的契機を暗示しながらも純音楽的な動機による統一的造形を打ち出している。 一方,19世紀における標題音楽の概念にとって画期的存在となったのは,フランスのベルリオーズの《幻想交響曲》(1830)である。この革命的な作品では,特定の人物を表し物語の筋に従って全5楽章に頻出する同一の旋律(固定楽想)が形式上・内容上の統一性を保証し,また和声法や管弦楽法においても大胆な実験が試みられている。…

【ベルリオーズ】より

…在学中にシェークスピア,ベートーベン,ゲーテを知って衝撃を受けた。28年にローマ賞の2等賞,さらに30年にはローマ大賞を受け,同年彼の初期の傑作である《幻想交響曲》を発表した。イタリア留学(1831‐32)から戻ると,彼はイギリス人の女優ハリエット・スミッソン(ベルリオーズがシェークスピア劇と出会ったときオフィーリアを演じていた)と結婚し,ひとり息子ルイが誕生した。…

【マシン】より

…最初に交響曲のバレエ化を手がけた振付師の一人でもある。代表作にロッシーニの音楽による《奇妙な店》(1919),ファリャ作曲の《三角帽子》(1919),ベルリオーズ作曲の《幻想交響曲》(1936),オッフェンバックの音楽による《パリの賑い(喜び)》(1938)などがあり,映画《赤い靴》(1948),《ホフマン物語》(1951),《ナポリの饗宴》(1954)の振付を行い,みずから出演している。自伝(1960)がある。…

※「幻想交響曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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