(読み)ロ

デジタル大辞泉 「廬」の意味・読み・例文・類語

ろ【×廬】

小さく粗末な家。いおり草庵

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精選版 日本国語大辞典 「廬」の意味・読み・例文・類語

ろ【廬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いおり。かりや。小さく粗末な家。草庵。
    1. [初出の実例]「数日前湖南子〈略〉筑紫への帰るさ予が廬(ロ)を訪へり」(出典:閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉子規居士之墓)
    2. [その他の文献]〔易経‐剥卦〕
  3. 宿直(とのい)部屋
    1. [初出の実例]「公卿多被参内、於殿下御廬僉議」(出典:中右記‐寛治八年(1094)一〇月二五日)
    2. [その他の文献]〔漢書‐厳助伝〕

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普及版 字通 「廬」の読み・字形・画数・意味


19画

[字音]
[字訓] かりや・いおり・やどる・いえ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は盧(ろ)。〔説文〕九下に「寄(かりや)なり。秋には去り、春夏には居る」とあって、農耕の時に寄宿する田中の廬舎をいう。また〔段注〕に〔詩、大雅、公劉〕「時(ここ)に廬す」、〔詩、小雅、信南山〕「中田に廬り」などの句を引いて証とする。〔公劉〕の「廬」は、都作りのとき地霊を祀る「旅宿り」の儀礼であり、〔信南山〕の句はつづいて「疆(きやうえき)にり」とあって、廬対文であるから、廬舎の意ではない。秋冬邑居のことは〔漢書、食貨志〕にみえるが、経書の解釈として記されているもので、耕作者のとる一般的な形態ではない。金文に「射廬」があり、神都の辟雍(へきよう)に附設された射儀を行うところ。また〔儀礼、既夕記〕に「倚廬(いろ)に居る」とは、廬舎堊室(あくしつ)、服喪するときに居るところ。そのような儀礼の場に忌み小屋として用いるのが原義。のち草廬茅屋の意となる。

[訓義]
1. かりや、ものかりや、いみのかりや。
2. いおり、かりずまい。
3. やどる、はたご。
4. いえ、書斎などにいう。
5. とのいの間、宿直室。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕廬 伊保(いほ)〔和名抄〕廬 伊本(いほ)〔名義抄〕廬 イホ・イホリ

[語系]
廬・閭liaは同声。里liは声義近く、田社のあるところをいう。廬ももと、一般と隔離された忌殿としての屋舎をいう語であろう。

[熟語]
廬堊廬庵廬塋・廬園・廬屋・廬下・廬居・廬室・廬舎・廬・廬井・廬前・廬側廬冢・廬帳・廬第廬廡・廬墓・廬落
[下接語]
庵廬・倚廬・園廬・屋廬・蝸廬・臥廬・学廬・旧廬・穹廬・窮廬・居廬・僑廬・寓廬・結廬・故廬・廬・闔廬・室廬・草廬・僧廬・冢廬・田廬・仏廬・敝廬・廬・廬・茅廬・野廬・陋廬

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