弁当・辨当・便当(読み)べんとう

精選版 日本国語大辞典 「弁当・辨当・便当」の意味・読み・例文・類語

べん‐とう ‥タウ【弁当・辨当・便当】

〘名〙
① (形動) 便利なこと。重宝なこと。都合がよいこと。また、そのさま。便道。
※土井本周易抄(1477)四「右は便当に事をするぞ、然に右の手が物をててすれば、左の手が用に立つぞ」
※俳諧・紅梅千句(1655)七「割籠のめしに汁やなからん〈貞徳〉 弁当なことをきらへる野遊にて〈安静〉」 〔元曲‐梅香・楔子〕
② 外出先で食事するため、器物に入れて持ち歩く食物。また、それを入れる器物。行厨(こうちゅう)
※伊達家日記‐天正一七年(1589)五月二三日「其後いそはた御めくり御へんとうめしあけられ候」
③ 外出先で仕出し屋などから取り寄せて食べる食事。→仕出弁当
※滑稽本・八笑人(1820‐49)初「辨当がいるナ。眼公、そこらへいって見つくろって来てくれねへか」
④ (形動) 豊かなこと。裕福なこと。充足していること。また、そのさま。便道。⇔不弁
高野山文書‐文祿元年(1592)七月七日・帥法印歓仲書状「御寺物弁当候へば、不申儀候、御検地候而以来、如何様に御不辨にても不苦儀候」
芝居で、場あたりのせりふ。転じて、おまけの添えことば。〔当世花詞粋仙人(1832)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android