弁才天・辯才天・弁財天・辨財天(読み)べんざいてん

精選版 日本国語大辞典 の解説

べんざい‐てん【弁才天・辯才天・弁財天・辨財天】

[一] (弁才天・辯才天)(「弁(辯)才」はSarasvatī (薩囉薩伐底)の訳語) インドの神の名。聖河の化身という。仏教にはいって舌・財・福・智慧・延寿などを与え、災厄を除き、戦勝を得させるという女神。像は、八臂(弓・箭・刀・矟・斧・杵・輪・羂索を持つ)、または、二臂(琵琶を持つ)。大弁才天。弁天。弁才天女。
※栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上「或時は辯才天来臨して謁す」
[二] 七福神の一つ。後世(一)が、吉祥天と混同され、あるいは穀物の神である宇賀神とも同一視されて、多く「弁(辨)財天」と書き、福徳財宝を与える神とされたもの。その像は、宝冠・青衣の美しい女神であらわされ、琵琶をひいている。弁天。〔書言字考節用集(1717)〕
[語誌](1)「最勝王経‐七」の「大弁才天女品」などを通して早くから日本に伝わっていたとされ、吉祥天とともに女神として受容されてきた。
(2)平安末期以降の神仏交渉において、女神であることを共通項として、(二)のように、吉祥天などと混同され、福徳神としての性格もその際生じたと思われる。
(3)「三国伝記‐一〇」などに見られる伝承では、江ノ島弁才天の正体大蛇であるとされる。
(4)江ノ島と竹生島厳島を「日本三弁天」と称する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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