法的に最終支払手段の資格を与えられ、強制通用力のある貨幣。現金とかお金、キャッシュとよばれ、小口の支払手段として用いられる。日本では1000円札から2000円札、5000円札、1万円札までの紙幣の日本銀行券と記念硬貨を除く1円、5円、10円、50円、100円、500円の政府発行の硬貨である補助貨からなる。預金通貨と対(つい)をなすが、その比率は低下して20%にも満たない。
通貨の基本として賃金・給料の支払いや個人・家計の消費支出、小口取引の決済など日常の小口取引に用いられる。クレジットカードやプリペイドカード(代金前払いカード)、電子マネーの普及によって現金の節約が進行しており、ますます減少傾向にある。
[金子邦彦]
法制上,強制通用力をもつ銀行券および補助貨幣の総称。最終的な支払手段として用いられる。現金通貨は,一部は預貯金の引出しなどに備えて金融機関が保有するが,大部分は企業や家計によって保有され,賃金・給与や日々の消費支出の支払あるいは企業間の小口取引の決済などに用いられる。日本では日本銀行券と政府が発行する補助貨幣がこれにあたり,日銀がおもに国債や外国為替を買い入れることにより供給されている。現金通貨に対する用語に預金通貨(当座預金や普通預金等)があるが,これは小切手の振出しや口座振替によって支払に用いることができるので,そのように呼ぶ。マネー・サプライ分析において,交換手段たる機能を重視する場合に用いられる概念M1は,現金通貨と預金通貨を合計したものにほかならない。
執筆者:深尾 光洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ところが,第1次大戦後金本位制度が崩壊して管理通貨制度に移行したのにつれて,銀行券または政府紙幣が本来的な貨幣の地位を占めるようになり,信用取引制度の発達とともに小切手の振出しによって移転される当座預金(広義では要求払預金)が決済手段として使用されるようになってきた。このような変化を反映して中央銀行の債務である銀行券を現金通貨と呼び,他方,要求払預金を預金通貨と呼ぶようになった。ところで,第2次大戦後,金融機構の発達に伴って種々の金融資産が創出されたが,そのなかには貨幣ときわめて類似した性格のものもあった。…
※「現金通貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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