形式陶冶
けいしきとうや
formale Bildung
実質陶冶に対する立場。実質陶冶が特殊な内容の学習を重視するのに対し,形式陶冶は一般的な能力の陶冶を重視するもので,そのために,最も陶冶しやすい内容を選んで効果的に学習を進めようとする。たとえば形式陶冶の立場は,難解な数学問題の解決に思考をめぐらし,その解決に成功すれば,そこで養われた力は数学以外の他の問題の解決にも同様に有効であるとするもので,これは「学習転移」理論に立脚している。さまざまな実験の結果,今日では極端な実質陶冶説も極端な形式陶冶説もともに誤りであると考えられている。
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けいしき‐とうや ‥タウヤ【形式陶冶】
〘名〙 教育学で、
教授は
教科や教材の内容よりも、思考力、想像力、
意志などの精神的諸能力の訓練に
重点を置くべきだとする考え。従って、
古典語や数学などの特定の教科でも、一般的能力を陶冶できるとする、教授上の目的および方法の原理。〔現代術語辞典(1931)〕
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形式陶冶【けいしきとうや】
実質陶冶に対する教育学上の概念。個々の知識・技能という内容的なものの習得よりも,記憶・推理・意志の力など心の形式的な能力の陶冶を強調する教育観。ヨーロッパの伝統的な学校は古典語や数学をおもな教科としてこの種の教育を重視してきた。
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けいしき‐とうや〔‐タウヤ〕【形式陶冶】
知識・技能を習得する能力そのものをはぐくもうとする教育。観察・注意・記憶・想像・分析などの各能力を高めることに重点を置く。→実質陶冶
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