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御高祖頭巾 おこそずきん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

御高祖頭巾
おこそずきん

江戸時代中期 (18世紀初) から明治,大正にかけて,主として若い女性に用いられた防寒用の頭巾。一説に,おくそ (カラムシの茎) で作った頭巾に形が似ていることから転訛した名称とされる。また,形がきものの袖に似ているところから袖頭巾,ときには大明 (だいみん) 頭巾と呼ぶこともある。頭からかぶって開いた口から顔をのぞかせ,左右を広げて耳のうしろに掛けたのち,襟や肩をおおうようにした。覆面のように目だけを出すこともあり,黒か紫の縮緬 (ちりめん) が多く使われた。

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デジタル大辞泉の解説

おこそ‐ずきん〔‐ヅキン〕【高祖頭巾】

日蓮上人の像の頭巾に似るところから》縮緬(ちりめん)などの四角い布にひもをつけ、目だけを出して頭・顔を包む婦人の防寒用頭巾。袖頭巾(そでずきん)。 冬》

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百科事典マイペディアの解説

御高祖頭巾【おこそずきん】

江戸〜明治にかけて流行した女性の防寒用のかぶり物。方形の布に耳かけのひも輪を付けたもので,ふじ色や鉄色の浜縮緬(はまちりめん)で作り,一端に雪月花の模様や家紋を染めた。
→関連項目頭巾

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世界大百科事典 第2版の解説

おこそずきん【御高祖頭巾】

江戸時代,宝暦(1751‐64)のころから行われ,ことに明治時代,婦人の間に流行した被り物かぶりもの)の一種。方形の布に耳掛けのひも輪をつけたずきん。主として冬,防寒のために着装した。御高祖頭巾の名称については《嬉遊笑覧》に〈其着たるさま日蓮上人の像に似たればお高祖頭巾ともいひしなり〉とあり,御高祖は日蓮を指していったものとされているが,〈おこそ〉は〈おくそ〉の転訛で,宝暦以前の苧屑(おくそ)頭巾の語に由来する。

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大辞林 第三版の解説

おこそずきん【御高祖頭巾】

四角な布で製したかぶりもの。耳へ掛け顔を表すかぶり方と、目のまわりだけ出して頭部全体を包むものがある。多く女性が防寒用に用いた。宝暦(1751~1764)頃から明治時代まで行われた。 〔日蓮上人像のかぶりものに似るからという〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

御高祖頭巾
おこそずきん

女性用頭巾の一種。享保(きょうほう)年間(1716~36)に片袖(かたそで)形の頭巾が使われ、これを袖頭巾あるいは大明(だいみょう)頭巾といった。これは順光という僧侶(そうりょ)が高祖日蓮上人(にちれんしょうにん)像の頭巾から思い付いてつくり、かぶったのに始まるという。材料は黒や紫縮緬(ちりめん)を4尺(120センチメートル)角に裁ち、女物は裏に紅絹(もみ)をつけた。明治時代に防寒用具として大流行し、中年の女性は鉄色、藍鼠(あいねずみ)、浅葱(あさぎ)鼠の色を、若い女性は紫、藤、紅掛け鼠の色を用いた。かぶり方は、四角の一角を内へ折って額にあて、左右の角を交互に回し留め、顔の前面だけを残して包む。髪形を壊さないので、よく利用された。[遠藤 武]

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世界大百科事典内の御高祖頭巾の言及

【被り物】より

…頭にかぶったり頭をおおったりするものの総称。防寒,防暑,防風などの保護機能はもとより,装飾機能や身分,階級,職業などを端的に示すシンボル機能も強い。さらに,神仏への畏敬の表現,吉凶時の喜悲や慎みの表現としても重要である。時代や民族の特性を如実に反映するものとして,古くから多種多様なものがみられる。被り物は身分や役割のはっきりしている社会,また文化の爛熟期に発達している。
【日本】
 帽子頭巾手ぬぐいなどの種類があり,材料としては絹,麻,木綿,ラシャ,紗,紙,藺(い),菅(すげ)などが用いられている。…

【頭巾】より

…これは同形の頭巾の後ろに大きな襠(まち)を入れてかぶりやすくし,顔側の左右に取り付けたひもを結んで着用した。 ふろしき形は,四角または長方形の平面の布を用い,巧みに頭と顔部をすっぽり包む形であり,御高祖(おこそ)頭巾,ふろしきぼっちなどといい,もっぱら女性が用いた。秋田県ではフロシキボッチとよび,第2次世界大戦後もしばらく,冬季の防寒,防雪に,またおしゃれのために多くの女性が愛用した。…

※「御高祖頭巾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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