応安新式(読み)オウアンシンシキ

デジタル大辞泉 「応安新式」の意味・読み・例文・類語

おうあんしんしき【応安新式】

南北朝時代連歌式目。1巻。二条良基著。応安5年(1372)成立救済ぐさい助力により、連歌の規則を新しく制定したもの。連歌新式

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精選版 日本国語大辞典 「応安新式」の意味・読み・例文・類語

おうあんしんしき【応安新式】

  1. 南北朝時代の連歌式目書。一巻。二条良基著。応安五年(一三七二)成立。良基が救済(ぐさい)の助力によって、連歌の規則を制定したもの。従来の式目を改訂統一し、後世式目の規矩となる。連歌新式

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改訂新版 世界大百科事典 「応安新式」の意味・わかりやすい解説

応安新式 (おうあんしんしき)

連歌式目。1巻。一般に《連歌新式》ともいう。1372年(応安5),二条良基救済(ぐさい)の協力を得て,それ以前の《連歌本式》や,また特に《建治新式》(現存せず)に基づいて制定したという。雑多であった連歌式目を統一し,勅許を仰いで世にひろめ,以後の規範となった。輪廻一座一句物,去嫌(さりきらい)などを定め,その後なお問題点が生じたために,〈追加〉として数条の増補を加えている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「応安新式」の意味・わかりやすい解説

応安新式
おうあんしんしき

連歌(れんが)の式目。鎌倉中期から南北朝初期にかけて、連歌制作の規則として本式や新式など諸種の式目が並び行われていたが、二条良基(よしもと)は救済(きゅうせい)の協力を得て式目の改訂作業を進め、1372年(文中1・応安5)に『建治(けんじ)新式』を改訂増補することによって新しい連歌新式を制定した。これが『応安新式』で、繰り返しを避けるための輪廻(りんね)の事や体用の事、本歌の取り方を規定した本歌の事、百韻に使用する素材の種類や数や位置を制限した規定、素材の連接に関する規定、四季の指定や素材の分類等をその内容とする。制定以後、室町初期と中期に再度にわたって補訂され、俳諧(はいかい)の式目も、その影響下に成立。

[木藤才蔵]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「応安新式」の解説

応安新式
おうあんしんしき

連歌作法の式目。二条良基(よしもと)の制定。応安5年(1372)の奥書をもつが,さらに2度補訂され,2~3年後に完成。鎌倉時代以来,長連歌の一般化とともに共通の連歌規則すなわち式目が求められ,建治年間(1275~78)成立の建治の新式が指針とされるようになった。しかし,それによってさばききれない疑問点がふえたため,良基が「僻連抄」や「連理秘抄」の述作をへて,地下(じげ)連歌の実力者救済(きゅうぜい)らとはかり「応安新式」を定めた。内容は同じ表現のくり返しである輪廻(りんね)を嫌うことなど連歌の理念の提示や,百韻のなかで使用回数に限度がある語や近接を避ける語彙を列挙。後代の式目にも大枠として引きつがれた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「応安新式」の解説

応安新式
おうあんしんしき

南北朝時代の連歌の規則書
『連歌新式』ともいう。1372(応安5)年成立。1巻。鎌倉中期ごろからの本式・新式という規則を,二条良基が集大成したもの。韻字・本歌・用語の度数など細かく定め,後世の規範とされた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「応安新式」の意味・わかりやすい解説

応安新式
おうあんしんしき

連歌新式」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の応安新式の言及

【連歌新式】より

…1巻。《応安新式》に,1452年(享徳1)に一条兼良宗砌(そうぜい)の意見を徴して成った《新式今案》を加え,さらに1501年(文亀1)に肖柏が改訂をほどこしたもので,正式には《連歌新式追加並新式今案等》と称し,以後長く連歌の規範とされた。ただし実際には,室町末期ころから式目はより細かく煩雑なものとなっていった。…

※「応安新式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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