恐るべき子供たち(読み)おそるべきこどもたち(英語表記)Les Enfants terribles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

恐るべき子供たち
おそるべきこどもたち
Les Enfants terribles

フランスの詩人,劇作家 J.コクトーの小説。 1929年刊。親に死なれて気ままな生活をおくっている姉弟,エリザベートとポールの異常な愛情の物語。詩と散文の融合を目指し,古典悲劇を思わせる厳格な構成のもとで,アラン=フルニエに通じる子供の幻想と詩の世界を展開する。アヘン中毒治療のための入院中に 17日間で書上げたもの。 50年に J.P.メルビルの監督で映画化された。

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デジタル大辞泉の解説

おそるべきこどもたち【恐るべき子供たち】

《原題、〈フランス〉Les enfants terriblesコクトーの小説。1929年刊。姉弟の近親相姦的な愛と思春期の少年少女の残酷な行動のもたらす悲劇を幻想的に描く。1950年、ジャン=ピエール=メルビル監督により映画化。→アンファンテリブル

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デジタル大辞泉プラスの解説

恐るべき子供たち

1950年製作のフランス映画。原題《Les enfants terribles》。監督:ジャン=ピエール・メルビル、出演:ニコル・ステファーヌ、エドアール・デルミほか。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

恐るべき子供たち
おそるべきこどもたち
Les Enfants terribles

フランスの作家ジャン・コクトーの小説。1929年刊。中学生の雪合戦のさなか、ダルジュロスの投げた雪の玉が命中し、倒れたポールは発病して病床につく。ダルジュロスは退校を命じられ、ポールは姉のエリザベートと口論しながら療養してしだいに快癒する。姉はアメリカ人の青年実業家と結婚するが、夫は式のあと交通事故で急死し、莫大(ばくだい)な遺産を相続し、広大な邸宅で乱雑な暮らしが始まる。ポールの親友ジェラールはエリザベートを恋し、ポールは姉の友達アガートを恋する。弟を失うことを恐れた姉はアガートをあざむいてジェラールと結婚させる。絶望したポールは服毒し、罪の暴露したエリザベートはピストルで自殺する。子供たちの宝物遊び、夢遊び、細長い部屋を屏風(びょうぶ)で仕切った4人の暮らしなど、少年期から思春期への揺れ動く魂の謎(なぞ)を描き、第一次世界大戦直後の青春像を定着させた「小説詩」の傑作。17日間で書き上げただけに、独特のスピード感をもつ文体がみごとである。[曽根元吉]
『佐藤朔訳『恐るべき子供たち』(『ジャン・コクトー全集3』所収・1980・東京創元社) ▽鈴木力衛訳『恐るべき子供たち』(岩波文庫)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

おそるべきこどもたち【恐るべき子供たち】

(原題Les Enfants terribles) 小説。コクトー作。一九二九年発表。金持の叔父に引き取られ、気ままで空想的な生活を送る孤児姉弟とその友達の、大人になろうとする過程でたどる愛情のもつれと破局を詩的に描く。第一次大戦後の虚無主義を象徴し、「恐るべき子供たち(アンファン‐テリブル)」という語は一時もてはやされた。

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