精選版 日本国語大辞典 「意見状」の意味・読み・例文・類語
いけん‐じょう‥ジャウ【意見状】
- 〘 名詞 〙
- ① 中世の寺院での訴訟について、供僧(ぐそう)が意見を記した文書。訴訟当事者双方の主張を整理して二項に分け、一通の文書で二者択一的に供僧に問い、供僧らはその文書にそれぞれの意見を書いた。
- [初出の実例]「公文職事 意見状」(出典:東寺百合文書‐ハ・延文元年(1356)四月二一日・東寺供僧意見状)
- ② 室町中期以後、幕府訴訟制度において、当初には評定衆と右筆方が、のちには専ら右筆方が訴訟の判決に関する意見を書きしるした文書。意見状の結論と判決はほぼ一致し、単独で証文ないしは傍証として通用した。
- [初出の実例]「次意見状之儀、当番衆被二相調一衆中之被レ取二判形一」(出典:室町家御内書案(14C後‐16C後)上)