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感潮河川 かんちょうかせんtidal river

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

感潮河川
かんちょうかせん
tidal river

潮汐の影響を受けて,その水面高度,流速,流れる方向などが変動する河川河口に近く低平なところを流れ,その水面高度が 0mに近い河川では,上流からの水量の変化に伴う水面高度変化と別に,潮汐作用による海水面の変化に対応して水面が変動する。じょうご状の湾の奥にある河川は,潮汐作用によって海水が集中するため,かなり上流まで感潮する。イギリスのセバーン川では十数 km上流までさかのぼる。

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デジタル大辞泉の解説

かんちょう‐かせん〔カンテウ‐〕【感潮河川】

潮の干満の影響を受ける河川。水位や流速の変化はかなり上流にまで及ぶ。海嘯(かいしょう)のみられることもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

かんちょうかせん【感潮河川 tidal river】

河川の下流部で,河川の水位,流速が潮汐の影響を受けて周期的に変化する区域,あるいはそのような現象がみられる河川。潮汐の影響は,塩分濃度の変化としても現れるが,一般に水位,流速の変化は,塩分濃度の変化がみられる範囲(潮入川)よりはるか上流側にまで及ぶ。 こう配のゆるやかな大河では感潮の度合が著しく,中国の長江(揚子江)では,河口から約1000kmの武漢付近まで潮汐の影響を受けるという。干満の差が大きい場合や,河口がらっぱ状に開いたエスチュアリーなどでも感潮の度合が大きく,特に著しい場合には上げ潮時に潮波が水壁をなして河道内をさかのぼることがある。

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大辞林 第三版の解説

かんちょうかせん【感潮河川】

潮の干満の影響を受ける河川。満潮時には、海水が遡上する。水位・流速の変化は、潮入りの区域よりもはるか上流にまで及ぶ。緩勾配の大河に多い。 → 海嘯かいしよう

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

感潮河川
かんちょうかせん

海に注ぐ川の下流部で、潮汐(ちょうせき)変化につれて川の水位や流速が周期的に変動する範囲を感潮区間といい、そのような潮汐の影響を受ける川を感潮河川という。感潮の範囲は勾配(こうばい)の緩やかな大河になるほど大きく、勾配の急な川では小さい。揚子江(ようすこう)では河口から約1000キロメートル上流の漢口まで潮汐の影響が波及する。海水の侵入による塩分の変化は比較的下流部に限られ、水位や流速の変化はこれよりもはるかに上流側にまで及ぶ。海水が侵入して塩水くさびを形成する川を潮入り川という。水面勾配の緩やかな河口付近では、上げ潮のときには海水が河口から侵入して遡上(そじょう)し、下げ潮のときには向きを逆転して流下する。河口が扇形に開いていて、前面が遠浅で潮の強い海である場合、上げ潮時には前面が垂直に近い水の壁が横一列の波となって川を遡上する。これを潮津波または海嘯(かいしょう)といい、中国の杭州(こうしゅう)湾に注ぐ銭塘江(せんとうこう)では波高が10メートル前後に達し、秒速7メートルの波速で川をさかのぼるという。フランスのセーヌ川、イギリスのセバーン川、南米ベネズエラのオリノコ川なども海嘯で有名である。潮汐のエネルギーは一部を摩擦や粘性のために消費するほか、水をしだいに高い所に運ぶ仕事にも使われる。水面勾配の緩やかな下流部でも川の流れに逆らって遡上するには大きな運動エネルギーを必要とするから、感潮の度合いは上流部になるほど弱くなる。一般に上げ潮の時間は短く、下げ潮の時間は長い。川の流量が多いときには上げ潮の時間がさらに短くなる。渇水時に上げ潮が優勢になることはいうまでもない。潮汐に起因する水位の変動に対して流速または流量の変動は時間的に遅れるのが普通で、この時間的遅れは上流ほど大きくなる。大きな川では両岸の水位に差があり、北半球では右岸が左岸よりも満干潮時とも高い。これは地球自転の影響によるもので、アメリカのハドソン川では河口付近でその差が3センチメートルあるという。山茂美]

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