デジタル大辞泉
「憚る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はばか・る【憚】
- ( 「はばむ(阻)」と同源。のちに「はびこる」と混同され、また、「はば(幅)」を活用させた語という意識も生じた )
- [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 対象を敬遠する気持があって距離を置く。差し障りがあってうまくいかなくなる。行き悩む。遠慮する。
- [初出の実例]「赤駒の い行き波々箇屡(ハバカル) 真葛原 何の伝言 直にし良(え)けむ」(出典:日本書紀(720)天智一〇年一二月・歌謡)
- 「荒し男も 立しや波婆可流(ハバカル) 不破の関 越(く)えて我(わ)は行く」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三七二)
- ② いっぱいになる。満ちふさがる。はびこる。
- [初出の実例]「彌陀の身も天のみ空にはばかりてよもせばしとや思ひ知るらん」(出典:散木奇歌集(1128頃)釈教)
- ③ いばる。幅をきかせる。「憎まれっ子世にはばかる」
- [初出の実例]「天下にはばかるほどの欲をするものを戒るぞ」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)一)
- [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① ( 対象との間に差し障りのあることから ) 恐れつつしむ。気がねする。遠慮する。
- [初出の実例]「然るに皇后の言に重(ハハカリ)、亦友于之義(このかみおとふとのことわり)に敦(あつ)くまして忍びて罪(つみせ)ず」(出典:日本書紀(720)仁徳四〇年二月(前田本訓))
- 「睦び聞えさせんも、はばかる事多くて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蓬生)
- 「黄村は〈略〉あたりをはばかるやうな低い声で問うた」(出典:ロマネスク(1934)〈太宰治〉嘘の三郎)
- [その他の文献]〔論語‐学而〕
- ② 忌みきらう。
- [初出の実例]「身命を惜しまず、疲労を憚(ハハカラ)ずある応し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五)
- ③ とむらう。葬式を出す。〔文明本節用集(室町中)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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