翻訳|Romanesque
…イスラム支配は免れたが,馬蹄形アーチ,パルメットを溝彫した柱頭などのイスラムやモサラベの要素が入り込み(サン・ミゲル・デ・クシャ,リポル),かえって新しい活力を生む。例えば図柄を表面に残して地を彫りくぼめ細部を繊細に仕上げる溝彫技法は,11世紀初めのピレネー山麓の大理石工房で継続され,イスラム風の植物文に始まり,人物をアーチ形の枠にはめ込んで表すまでに発展し(サン・ジュニ・デ・フォンテーヌ),ロマネスク彫刻誕生の一局面をなしている(12世紀以降は逆に彫刻の新しい流れは南西フランスから入る)。ヘロナ大聖堂の刺繡(〈天地創造〉図)やカタルニャ美術館に数多く収められた壁画,テンペラの祭壇画,彩色木彫像(磔刑のキリスト,聖母子)には,強い色彩と輪郭の,表現力に富む民衆的な味わいの濃いロマネスク美術が認められる。…
…ここでは,4世紀初めのローマ皇帝によるキリスト教公認から,キリスト教の権威の揺らぎはじめた14世紀までの,西欧の音楽を扱う。なお,西洋音楽史では,おおよそ850‐1150年をロマネスク時代,1150‐1450年をゴシック時代と呼ぶことがある。また,今日いろいろ議論されてはいるが,13世紀をアルス・アンティカ(古技法)の時代,14世紀をアルス・ノバ(新技法)の時代と呼ぶ慣習もかなり普及している。…
※「ロマネスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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