デジタル大辞泉
「慎む」の意味・読み・例文・類語
つつ・む【▽慎む】
[動マ四]《「包む」と同語源》
1 気がねする。遠慮する。
「人目も今は―・み給はず泣き給ふ」〈竹取〉
2 気後れする。
「例いとよく書く人も、あぢきなうみな―・まれて」〈枕・二三〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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つつし・む【慎・謹】
- [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 ( 促音化して「つっしむ」とも )
- ① あやまちをおかさないように気をつける。心をひきしめ、ひかえめな態度をとる。大事をとる。自重する。
- [初出の実例]「所以に、心を小(せ)め己を励(はけ)まして日(ひ)に一日(ひとひ)を慎(ツツシム)ことは蓋し百姓(おほむたから)の為の、故なり」(出典:日本書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓))
- 「能を極めたるとは思ふべからず。ここにて猶つつしむべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)一)
- ② 神や尊いものに対して、うやまいの心をもって尊ぶ。うやうやしくかしこまった態度をとる。尊んでつき従う。→つつしんで。
- [初出の実例]「当に虔(ツツシミ)敬ひ渇仰する之心を超したてまつらむとおもふべし」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)六)
- 「君達さへ、余りつつしみ給て、今は目も見せ給はねば、いみじうつれづれにこそなりにたれ」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)四)
- ③ 物忌みをする。斎戒する。
- [初出の実例]「つつしむことのみあればこそあれ。さらにこずとなん、我は思はぬ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- 「京に子生むべきむすめのことにより、つつしみ騒げば、例の家にもえ行かず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蜻蛉)
- [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
- [初出の実例]「汝が心念を慎(ツツシメ)、威儀を摂持せよ」(出典:岩淵本願経四分律平安初期点(810頃))
- 「程(ツツシメ)て綸言を奉(う)けたてまつり、載ち翻訳せしめ」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
慎むの補助注記
中世以降、促音化して「つっしうて」「つっしんだ」などと、「つっしむ」の形でも用いられた。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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