しゅ‐きん【手巾】
[1] 〘名〙
※新儀式(963頃)天皇加元服事「盛二匜盥一。案上各加二手巾一。主水官人分二立案下一。但内蔵官人立二手巾一。主水官人候二洗手一」
※雑談集(1305)七「
女人に手ふるべからすと云て、
錫杖の柄、手巾
(シュキン)をまきて、はるかにささへたりける」 〔世説‐
文学〕
※正法眼蔵(1231‐53)洗面「手巾は一幅の布、ながさ一丈二尺なり」
※浮世草子・本朝藤陰比事(1709)六「花幔は鯣、手巾は鱣
(うなぎ)、
独鈷は
鰹節の
異名にて、寺がたへ出入申候時ならひ候」
※糸竹初心集(1664)上「此の手、江州大津の住、とぎやの佐右衛門二郎吹出す也。刀をとぎける時、此の手をおもひ出し、手を拭はで吹きてみるに、吹けるうちに手かはきたり。さるによりて手巾(ジュキン)といふ」
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デジタル大辞泉
「手巾」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「手巾」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典(旧版)内の手巾の言及
【雲水】より
…雲衲(うんのう),行脚(あんぎや)とも称す。雲水は,網代笠(あじろがさ)をかぶり,袖の長い雲水衣(直綴(じきとつ))をきて,腰に手巾(しゆきん)と称する丸ぐけの腰紐をしめる。絡子(らくす)をかけ,白木綿の手甲(てつこう)・脚絆(きやはん)をつけ,わらじをはき,機能的で簡素な服装である。…
【ハンカチーフ】より
…日本ではおもに手ふきとして,欧米ではおもに鼻ふきとして実用され,また装飾品としても用いられる方形の小布。日本では略してハンカチ,ハンケチと呼ばれることが多く,手巾(しゆきん)ともいう。ローマ帝政時代に顔をふいたり手に持ったりしたスダリウムや,食事の際に手をふいたマッパが起源と考えられている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」