手機(読み)てばた(英語表記)handloom

翻訳|handloom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

手機
てばた
handloom

織機,織具, (はた) ともいう。広義には足踏織機も含み,力織機に対して使う言葉。力織機の発明以前の織機で,すべての操作を手足の力で行う。歴史は古く,人類が新石器時代に入り定住生活を始めた頃,植物繊維を利用して製織した原始的な織機にまでさかのぼる。その形式から,竪機 (たてばた) ,水平機,傾斜機の3種に分れ,竪機が最も古い。この3種に属さない独自のものもある。日本では弥生時代に出現し,地方により独自の発達をとげた。5世紀頃,中国から高機地機空引機などの新機が伝わり,以後,一般に普及した。いずれも木製で,なかでも高機が最も多く使われた。現在でも,絣 (かすり) 織物や複雑な紋織物などの製織に家内工業的に使われている。

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百科事典マイペディアの解説

手機【てばた】

人力で操作される織機(しょっき)。機(はた)・手織機(ておりばた)ともいう。最も古い原始機は,地面に立てた2本の柱に渡した横棒に経糸(たていと)をかけて錘(おもり)をつけ,下から上へ織る竪機,機の四隅を柱で地面に固定した水平機,経糸の一端を束ねて柱に結び他端は織工の腰帯にかける傾斜機など。これより進歩した地機(じばた),高機(たかばた)では機台に【ちきり】(経糸を巻く),千巻(ちまき)(織り上がった布を巻き取り経糸を緊張させる),綜絖(そうこう)(奇・偶の経糸を交互に上下させ開口する),杼(ひ)(緯(よこ)糸を通す),筬(おさ)(緯糸を打ち込む)をそなえている。地機は織工がすわって足で綜絖を操作,高機では機台に腰かけ踏木を踏んで綜絖を上下させる。ほかに人力で操作するものに足踏織機があるが,これは力織機の動力に替えて足の力を利用するもので,手機には含めない。
→関連項目空引機

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世界大百科事典 第2版の解説

てばた【手機 hand loom】

手織機(ておりき)ともいう。手足で操作する織機で,原始機(竪機,水平機),地機(じばた),高機(たかばた),空引機(そらびきばた)などが含まれる。原始機ではすべての運動を手で行い,地機,高機などでは綜絖(そうこう)の上下を足で,緯(よこ)入れ,緯打ちを手で行う。しかし,通常,手機といった場合には高機あるいはバッタンをつけた高機をさす場合が多く,紬(つむぎ),絣(かすり)などには現在も使用されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

手機
てばた

手織り織機、手織り機などともよび、主として手の動作によって製織することができる織機をいう。正確には、手によるほか、一部の製織動作を足に移したもので、踏竹(ふみだけ)あるいは足縄(あしなわ)によって経糸(たていと)を開口し、その間に両手で緯糸(よこいと)を入れた杼(ひ)を左右から交互に挿入して製織するものである。原始機(居座機(いざりばた)を含む)、地機(じばた)、高機(たかはた)、厩機(うまやばた)などがこれに相当する。なお飛杼(とびひ)(バッタン)装置をもつ高機をも含ませることがある。
 これらは動力織機が発明されるまで一般に使用されたが、製織能率が低いので、しだいに足踏織機、動織機(力織機)に置き換えられた。しかし手織りによるときは、一般的に地合いがしっかりとしたものや、比較的自由な糸遣いで特殊な糸を打ち込むことができ、また複雑な紋織組織や、縞(しま)・絣(かすり)文様をつくりだすことができ、ときには雨水も漏らない緻密(ちみつ)な組織のものさえ製織することができる利点があるので、根強い関心が払われている。[角山幸洋]

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精選版 日本国語大辞典の解説

て‐ばた【手機】

〘名〙 手足で動かして、織物を織るはた。
※古都(1962)〈川端康成〉きものの町「つまり、手機は工芸のたぐひだからであらう」

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世界大百科事典内の手機の言及

【織機】より

…(1)を開口,(2)を緯入れ,(3)を緯打ちといい,この一連の運動を繰り返すことにより,所定の組織をもった織物を作ることができる(図1)。これらの操作を手足で行う織機を手織機(ておりき)または手機(てばた)といい,動力で運転するものを力織機という(図2‐a,図2‐b)。次に力織機を例にとり説明してみよう。…

【高機】より

…これは農家にも普及した。現在ではバッタンを取り付けたものが多く,紬(つむぎ)用の手機(てばた)として使われている。【近田 淳雄】。…

※「手機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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