打切る(読み)ウチキル

デジタル大辞泉 「打切る」の意味・読み・例文・類語

うち‐き・る【打(ち)切る】

[動ラ五(四)]
物事中途でやめにする。中止する。「交渉はこれで―・る」
強く切る。断ち切る。
「弓―・り杖につき」〈平家・四〉
[可能]うちきれる
[類語]やめる切り上げるよす断つ中止するとりやめる休止停止中断中絶ストップ沙汰止みお流れ立ち消え途絶断絶手を引く放り出す見合わせる見送る思いとどまる踏みとどまる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打切る」の意味・読み・例文・類語

うち‐き・る【打切】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 断ち切る。
    1. [初出の実例]「持たる剣を以て三(みきた)に其の弓を截(ウチキ)る」(出典:日本書紀(720)崇峻即位前七月(図書寮本訓))
    2. 「馬の足にかかりける大網どもをばふつふつとうちきりうちきり」(出典:平家物語(13C前)九)
  3. 刀で傷つけたり殺したりする。
    1. [初出の実例]「乱れ入て此の女共を打ち切り、射る」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
  4. 物事を途中で終わりにする。中止する。
    1. [初出の実例]「又とない好機をここで打ち切って」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生と虚空)
  5. 一定の限度以下にとどめる。
    1. [初出の実例]「かねてたくみし事なれば、又ひらよみに蒔き直し、五したに打きり」(出典:浄瑠璃・大職冠(1711頃)四)
  6. カルタで、切札を出して他人の札を押え取る。
    1. [初出の実例]「親がうちきろふと云により、二くづした」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)三)

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