見合せる(読み)ミアワセル

デジタル大辞泉 「見合せる」の意味・読み・例文・類語

み‐あわ・せる〔‐あはせる〕【見合(わ)せる】

[動サ下一][文]みあは・す[サ下二]
互いに見る。見交わす。「顔を―・せて笑う」
あれこれと見比べる。対照する。「原簿決算書を―・せる」
事情を考慮し実行するのを差し控えてようすを見る。「今回は出席を―・せる」
好機を待つ。また、好機に会う。
のちは知らず、程なう世を―・せつるかな、と嬉しうて」〈栄花・見果てぬ夢〉
[類語](1見合う見交わす/(3控えるめる打ち切る切り上げるよす断つ中止するとりやめる手を引く放り出す見送る思いとどまる踏みとどまる休止停止中断中絶ストップ沙汰止みお流れ立ち消え途絶断絶

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精選版 日本国語大辞典 「見合せる」の意味・読み・例文・類語

み‐あわ・せる‥あはせる【見合】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]みあは・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
  2. 相手と視線を合わせる。互いに相手の目・顔を見る。見かわす。みあわす。
    1. [初出の実例]「目も見あはせず、思ひいりてあれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「かう云って吾々は顔を見合せた」(出典:大津順吉(1912)〈志賀直哉〉二)
  3. 手元の物と他の物を比較して見る。見くらべる。つき合わせて見る。対照する。
    1. [初出の実例]「こぞの経と見合するにかれにはなき字一あり」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
  4. よい機会・時節到来を待つ。時機を見はからう。よい折を待つ。また、よい時機にたまたま際会する。
    1. [初出の実例]「人笑はれに、いみじうねたげなりつるに、後は知らず、程なう世をみあはせつるなと嬉しうて」(出典:栄花物語(1028‐92頃)見はてぬ夢)
    2. 「暇を見合(ミアハ)せてその場を脱走」(出典胡瓜遣(1872)〈仮名垣魯文〉初)
  5. 実行しようとしていた動作を一旦やめてしばらく様子を見守る。みあわす。
    1. [初出の実例]「夕の嵐、朝(あした)の雨、日和(ひより)を見合(ミアハセ)、雲の立所をかんがへ」(出典:浮世草子日本永代蔵(1688)一)
    2. 「改悛の余地を与へん為め、暫く発表を見合せおくべし」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉後)

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