コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

指定廃棄物 していはいきぶつ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

指定廃棄物

原発事故で放射性物質に汚染され、環境相が指定する廃棄物で、焼却灰や稲わら、堆肥(たいひ)など、放射性セシウム濃度が1キロあたり8千ベクレル超10万ベクレル以下の県内廃棄物は、富岡町の処分施設に運び込まれる。10万ベクレル超は10月に稼働した中間貯蔵施設双葉町大熊町)に輸送される。

(2017-11-14 朝日新聞 朝刊 福島中会・1地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

指定廃棄物
していはいきぶつ

2011年(平成23)3月の東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質を含む廃棄物のうち、2012年1月施行の放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任で、発生した都道府県内で処理すると定められたもの。1キログラム当りの放射性セシウム濃度が8000ベクレルを超える廃棄物として、ごみ焼却灰、稲藁(わら)、堆肥(たいひ)、下水汚泥、浄水施設で発生した土や砂などが指定された。環境省によると、2015年6月30日時点で指定廃棄物の量は、福島第一原発周辺の1都11県合計で約16万1800トン、このうちもっとも多い福島県では約13万3900トンにのぼる。指定廃棄物のうち放射性セシウム濃度が1キログラム当り8000ベクレル超10万ベクレル以下の指定廃棄物は、雨水の浸入を防ぐ構造で管理保管し、1キログラム当り10万ベクレルを超えるものは、コンクリート構造で遮蔽された施設で管理保管する。なお、1キログラム当り8000ベクレル以下のものは人体への影響がほとんどないとして、通常の廃棄物として処理される。
 政府は2015年3月までに、周辺12都県内にそれぞれ処分場を確保し、指定廃棄物を順次搬入する工程を示していた。しかし福島県以外では、宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の各県で新たに処分場をつくる計画があるものの、処分場候補地の地元住民がそれぞれ強硬に反対したため、建設のめどは立っていない。国は最終処分場の名称を「長期管理施設」に変更し、また、福島県では富岡町の民間処分施設を国有化するなど、地元感情に配慮している。しかし、福島県外の住民からは放射性物質汚染対処特別措置法を見直し、指定廃棄物を福島県内に集約すべきだとの意見が出ている。このため指定廃棄物はごみ焼却施設、浄水施設、下水処理場、湾岸埋立地、一般農家の畑などの仮置き場に一時的に分散保管されているのが実態である。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

指定廃棄物の関連キーワード放射能に汚染された廃棄物の処分指定廃棄物最終処分場の現地調査農林業系汚染廃棄物の焼却施設遮断型構造の最終処分場県内の汚染廃棄物福島第一原発長期管理施設最終処分場土壌汚染汚染ごみ原発事故

今日のキーワード

桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す

《「史記」李将軍伝賛から》桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる。徳望のある人のもとへは人が自然に集まることのたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

指定廃棄物の関連情報