コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

中間貯蔵施設 チュウカンチョゾウシセツ

知恵蔵の解説

中間貯蔵施設

使用済み核燃料中間貯蔵施設と、東京電力福島第一原子力発電所の事故後には放射能汚染廃棄物中間貯蔵施設を指す。
前者は、原発の使用済み核燃料を、再処理するまでの間、貯蔵・管理しておく施設のこと。再処理とは使用済み核燃料からプルトニウムやウランなどを取り出す工程を指し、再び燃料として使用できるようにする核燃料サイクルに位置づけられる。原発を稼働させる限り増え続ける使用済み核燃料は、原発施設内での保管が限界に近づき、それ以外の場所で保管する中間貯蔵施設が建設されている。国内初となる原発施設外の中間貯蔵施設は2013年8月、青森県むつ市に完成した。15年3月の操業に向け、新規制基準への適合を確認する検査を受けている。
後者は、福島第一原発事故の除染作業で出た汚染土壌などを一時的に保管する施設のこと。福島県内の除染で取り除いた土壌や放射性物質に汚染された廃棄物は、県内に中間貯蔵施設を設置して国が集中的に維持管理し、30年以内に県外で最終処分することが示されている。当初は大熊、双葉、楢葉の3町が候補地となっていたが、地元の意向を受けて大熊と双葉の2町に集約するよう計画が見直され、14年8月に県と両町が計画を受け入れた。計画では、両町の計約16平方キロメートルを取得して段階的に工事を進め、15年1月から搬入を開始する予定。汚染土などは放射性セシウム濃度によって分別し、焼却して容量を減らすなどした上で、1キログラム当たり10万ベクレルを超える物は専用容器に入れて建屋内で保管し、10万ベクレル以下の物は遮水措置をして地中に埋める。汚染土などの容量は、県内各地の仮置き場に保管されている物に今後の除染分も加えると、最終的に焼却後約1600万~2200万立方メートルになると推計されている。

(原田英美 ライター/2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

中間貯蔵施設

東京電力福島第一原発事故の除染作業で出た汚染土などを最長で30年間保管する。福島県双葉、大熊両町にまたがり、第一原発を取り囲む敷地1600ヘクタールに建設予定で、県内で出る汚染土などの量は最大2200万立方メートルが見込まれている。環境省によると、汚染土の保管は2017年秋に始める計画で、総事業費は約1兆1千億円。ただ、用地取得は17年2月末で21%にとどまっている。

(2017-03-21 朝日新聞 朝刊 2総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中間貯蔵施設
ちゅうかんちょぞうしせつ
interim storage facility

使用済み核燃料や汚染土壌などの放射性廃棄物を、再利用するまで、または最終処分するまでの一定期間、保管しておくための施設。日本では主として2011年(平成23)3月の東北地方太平洋沖地震により発生した東京電力福島第一原子力発電所事故で、福島県内に放出された放射性物質に汚染された土や廃棄物を最長30年間、管理・保管する施設をさす。施設の建設および維持管理は国が責任を負う。2014年に福島県が中間貯蔵施設の受入れを表明し、福島第一原発周辺の同県大熊(おおくま)町と双葉(ふたば)町にまたがる1600ヘクタールの用地に建設することが決まった。総事業は1兆円規模である。国は2015年2月に施設建設予定地内に除染土壌等を保管する保管場(ストックヤード)の工事に着手し、中間貯蔵施設については2017年内の稼動を目ざす。国は2045年3月を保管期限とし、福島県外につくる最終処分場へ移すことになっている。なお原子力発電所で発電に使った核燃料のごみを管理する施設は「高レベル放射性廃棄物施設」とよび区別している。
 2012年1月に全面施行した放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、除染で取り除いた土壌、がれき、草木、落ち葉・枝、道路側溝の泥などのほか、1キログラム当り10万ベクレルを超える高濃度放射性物質を含む焼却灰や下水汚泥なども貯蔵する。環境省の試算では、福島県内で発生する汚染土壌や廃棄物は1500万~2800万立方メートルになる見込みで、中間貯蔵施設は最大2200万立方メートルの貯蔵能力をもつ。国は安全に管理するため、汚染土を保管する土壌貯蔵施設、放射性物質をその濃度や可燃・不燃などによって分別管理する施設、除染作業で発生したごみを焼却する仮設施設の3種類を整備する。1キログラム当り10万ベクレルを超える廃棄物は鉄筋コンクリート壁で固めた施設に搬入し、雨水を防ぐ屋根をつけ、貯蔵容器(専用ドラム缶等)に入れて保管する。1キログラム当り8000ベクレルを超える土壌等は、保存施設の上部や周囲に遮水シートと覆土を用いて飛散・流出を防止する。草木や汚泥などは容積を小さくするため、焼却して灰にしたうえで貯蔵する。施設周辺の大気や地下水の放射線量は常時、モニタリング装置で監視する。
 しかし国の用地取得は2016年7月時点で全体の5%弱にとどまっており、中間貯蔵施設が国の計画通り稼動するかどうかは不透明である。また中間貯蔵施設が事実上、半永久的な保管場所になるのではないかとの疑念が福島県内では強い。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中間貯蔵施設の関連キーワードドイツの放射性廃棄物処理施設放射性廃棄物処理施設除染計画と仮置き場核燃料施設

今日のキーワード

MERY

ファッション情報を中心とした女性向けデジタルメディア。運営元は株式会社MERY。2013年、株式会社ペロリによって創設された。同社が株式会社ディー・エヌ・エーの子会社となった14年以降も運営は継続され...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

中間貯蔵施設の関連情報