ベクレル(読み)べくれる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベクレル」の意味・わかりやすい解説

ベクレル(放射能の単位)
べくれる
becquerel

国際単位系SI)の放射性核種放射能単位。放射性核種の壊変数が1秒につき1であるときの放射能をいう。記号Bq。固有の名称と記号で表されるSI組立単位の一つ。かつては壊変毎秒とよばれていたが、1975年の国際度量衡総会でこの名称に置き換えられた。名称は、フランス物理学者A・H・ベックレルにちなむ。

[小泉袈裟勝・今井秀孝]


ベクレル(Antoine Henri Becquerel)
べくれる

ベックレル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベクレル」の意味・わかりやすい解説

ベクレル
Becquerel, (Antoine-)Henri

[生]1852.12.15. パリ
[没]1908.8.25. ロアールアトランティック,クロアシック
フランスの物理学者。祖父も父も物理学者。パリのエコール・ポリテクニクを卒業後,土木学校で学び,土木技師となった (1877) 。 1892年祖父および父がその地位にあった国立自然史博物館教授となった。エコール・ポリテクニク物理学教授 (95) 。 95年 W.レントゲンによるX線の発見に衝撃を受けて,96年ケイ光X線の関係を追究中にウラン鉱からの放射線を検出,初めて原子核崩壊現象の扉を開いた。 1900年この放射線が電界および磁界で曲ること,しかもその一部は陰電子であることを確認。 03年キュリー夫妻とともにノーベル物理学賞を受賞した。

ベクレル
becquerel

放射能の国際単位系 SI組立単位(→SI組立単位)。記号は Bq。1Bqは 1秒間に 1個の壊変(→自然崩壊)を起こす放射線源の放射能。壊変毎秒を表す単位 dpsおよびキュリーCi)に代わって用いられる。1Bq=1s-1=1dps。単位名は アンリ・ベクレルの名にちなむ。

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