揺・揺振(読み)ゆさぶり

精選版 日本国語大辞典の解説

ゆさ‐ぶり【揺・揺振】

〘名〙
① ゆさぶること。また、ゆさゆさとれる動き。
海潮音(1905)〈上田敏訳〉真昼「覚めたる波の揺動(ユサブリ)や」
② 気持を動揺させること。特に、しかけて相手を混乱、動揺させること。
※新西洋事情(1975)〈深田祐介〉泣いてパリに馬謖を斬る「入道氏の極めて東洋的な心情に改めてゆさぶりをかけてくるんです」
※色葉字類抄(1177‐81)「鞦韆 ユサフリ シウセン」

ゆさ‐ぶ・る【揺・揺振】

〘他ラ五(四)〙
① ゆさゆさと振り動かす。ゆり動かす。ゆする。ゆすぶる。いさぶる。〔字鏡集(1245)〕
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉四六「揺(ユサ)ぶっても病気疲れで能く寝て居るから」
② 気持を動揺させる。特に、しかけて相手を混乱、動揺させる。
白痴(1946)〈坂口安吾〉「生存の根底をゆさぶるやうな大きな苦悶に」
③ 野球で、投手が、打者に対する投球のコースや球種を変えたりして、打者のタイミングを狂わす。

ゆさ‐ぶ・れる【揺・揺振】

〘自ラ下一〙 揺れ動く。ゆすぶれる。
※黒猫(1930)〈龍胆寺雄〉二「寒むけがする様に丸太小屋が揺(ユ)さぶれた」

ゆす‐ぶ・る【揺・揺振】

〘他ラ五(四)〙
俳諧・武玉川(1750‐76)一一「ゆすぶれば子は寐る物と合点して」
搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉殿さまお目ざめ「彼の道徳上の機能なんぞは、こんな動揺の間に投げ込まれて、滅茶々々にゆすぶられて居る」
③ =ゆする(揺)(二)③
※江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲六下「不良老年なる清吉は相変らず酒色と賭博に耽りお伝を絶えず揺(ユス)ぶっては小遣銭を持出すので」

ゆす‐ぶ・れる【揺・揺振】

〘自ラ下一〙 =ゆさぶれる(揺)
※落語・船徳(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「オヤ、左方右方(あちこち)へ身躰が動揺(ユス)ぶれるので吸口で頬辺(ほうぺた)ばかり突撞(つっつ)いてて吸ふ事が出来ねエのは驚いたねエ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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