デジタル大辞泉
「鞦韆」の意味・読み・例文・類語
ぶらんこ【鞦=韆】
《擬態語「ぶらり」「ぶらん」などからできた語か》2本の綱や鎖で横木をつり下げ、それに乗って前後に揺り動かして遊ぶもの。ふらここ。しゅうせん。《季 春》
[補説]作品名別項。→鞦韆
しゅう‐せん〔シウ‐〕【×鞦×韆】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ぶらんこ【鞦韆】
- 〘 名詞 〙 ( 擬態語「ぶらり」「ぶらん」などからできた語か。一説に、[ポルトガル語] balanço からとも )
- ① 二本の綱または鎖を釣り下げ、下端に横木(座席)を取りつけ、人が乗り、前後にふり動かす遊び道具。またそれを動かして遊ぶこと。ぶらここ。ぶらこ。ぶらんど。ぶらりこぶらりこ。ゆさわり。ゆさぶり。びしゃご。半仙の戯れ。しゅうせん。《 季語・春 》 〔和英語林集成(初版)(1867)〕
- [初出の実例]「腰掛付の鞦韆(ブランコ)」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉牧場の道)
- ② ぶらさがること。また、そのものやその状態。また、首つりの俗称。
- [初出の実例]「年の暮は首を縊る方が、何と無く相応(うつり)が好いよ。ぶらんこと為(し)やう」(出典:洒落図解心の心(1894)〈尾崎紅葉〉五)
鞦韆の語誌
( 1 )語源は柳田国男の唱えた「ブランとさがってゐるからである」〔ブランコの話〕というのが妥当か。
( 2 )「ブランコ」の語形はおもに明治以降と思われる。
しゅう‐せんシウ‥【鞦韆】
- 〘 名詞 〙
- ① ブランコ。ゆさわり。ゆさぶり。ふらここ。《 季語・春 》
- [初出の実例]「幽閨人、粧梳早、正是寒食節、共憐鞦韆好」(出典:経国集(827)一一・鞦韆篇〈嵯峨天皇〉)
- 「共に一個の鞦韆(シウセン)に乗り、共に同一の小学に学び」(出典:自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帳)
- ② ( ━する ) 前後にふること。ゆすること。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
ぶらここ【鞦韆】
- 〘 名詞 〙 ( 「ふらここ」とも ) =ぶらんこ(鞦韆)①《 季語・春 》
- [初出の実例]「枝花をそむくる月の有明て〈才麿〉 ふらここつらん何某(なにがし)が軒〈コ斎〉」(出典:俳諧・芭蕉翁古式之俳諧(1685))
ゆさ‐わり‥はり【鞦韆】
- 〘 名詞 〙 ぶらんこ。ゆさぶり。ゆさばり。しゅうせん。《 季語・春 》
- [初出の実例]「鞦韆 古今芸術図云鞦韆〈秋遷二音 由佐波利〉以綵縄懸空中以為戯也」(出典:十巻本和名抄(934頃)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の鞦韆の言及
【清明】より
…ちなみに,子推は寒食の由来となった介子推を指す。清明節の遊戯としては,墓参後にも行われた踏青の楽しい遊び以外に,鞦韆(しゆうせん)(ぶらんこ)遊びや打毬(だきゆう)(ポロ),蹴鞠(しゆうきく)(けまり),闘鶏などがある。鞦韆は唐・宋時代や遼代,婦人や子どもたちの楽しい活発な遊びとなり,唐の玄宗は半仙の戯と呼んだ。…
【ぶらんこ】より
…ぶらんこは新大陸にも知られており,旧大陸との伝播関係はまだ不明ながら,中米のトトナコ文化からは2人の女児が乗ったぶらんこ遺物が出土している。【寒川 恒夫】
[日本]
《和名抄》には〈鞦韆,和名由佐波利(ゆさはり)〉とあり,また〈ぶらここ〉ともいった。嵯峨天皇に鞦韆(しゆうせん)の詩があり宮中でも行われていた。…
【ぶらんこ】より
…ぶらんこは新大陸にも知られており,旧大陸との伝播関係はまだ不明ながら,中米のトトナコ文化からは2人の女児が乗ったぶらんこ遺物が出土している。【寒川 恒夫】
[日本]
《和名抄》には〈鞦韆,和名由佐波利(ゆさはり)〉とあり,また〈ぶらここ〉ともいった。嵯峨天皇に鞦韆(しゆうせん)の詩があり宮中でも行われていた。…
※「鞦韆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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