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文字教育 もじきょういく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文字教育
もじきょういく

国語を書き表すために民族や国家で用いられている文字をその成員に習得させる教育活動をいう。文字を読んだり書いたりする能力を伸ばし、生活や学習に役だたせる指導が中心をなしている。
 日本の場合、平仮名、片仮名、ローマ字、漢字と4種類もの文字が用いられる。小学校第1学年および第2学年で、平仮名および片仮名の読み書きを指導し、第4学年で日常使われている簡単な単語について、ローマ字の読み書きができるようになることを目安としている。さらに漢字については、小学校学習指導要領・国語別表の「学年別漢字配当表」に示されている漢字の読みを指導するとともに、漢字の書きについては、第2学年であれば、第1学年に配当された漢字を書き、第2学年に配当されている漢字を漸次書くように指導していくなど、漢字の書きの指導に心配りがなされている。中学校では、第1学年では「学年別漢字配当表」(小学校1~6学年までの1006字)の漢字の読みに慣れ、その他の常用漢字のうち250~300字程度を、第2学年では300~350字程度を、第3学年ではその他の常用漢字の大体を読むよう指導する。また書くことでは、第1学年では「学年別漢字配当表」の900字程度を、第2学年では950字程度を、第3学年では「学年別漢字配当表」のすべての漢字を書き、文や文章に使っていくように指導していく。高等学校では、常用漢字の読みに慣れ、おもな常用漢字が書けるように指導することとされている。小・中・高等学校を通じて、漢字の指導をどのように効率的なものにしていくかが文字教育の最大の課題となっている。
 中国からの漢字の移入とその摂取と活用とは、わが民族の国語学習(文字学習)として、世界にもまれな壮挙といってよい。漢字を読み書きする能力、つまり読字力・書字力は、国語学力の根幹をなしている。しかし、漢字学習には、読んで意味を的確にとらえるにも、画数の多いものを筆順正しく書き表すにも、終始むずかしさが付きまとい、学習者への負担は重いものとなりやすい。漢字を読む力をどのように伸ばしていくか、漢字を必要に応じて正確にかつ迅速に書き表していく力をどのように伸ばしていくか、漢字仮名交じり文である国語の文・文章を書き表していくのに、送り仮名、仮名遣いなど表記面をどのように指導していくか、漢字・仮名の習得を両輪とする日本の文字教育は、今日なお指導者の創意工夫と学習者(児童・生徒)の意欲的な学習活動に待つべき点が多い。漢字指導は語句指導とも密接なかかわりをもっており、書写指導とも深くつながっている。[野地潤家]
『福沢周亮著『漢字の読字学習――その教育心理学的研究』(1976・教育出版) ▽小林一仁著『漢字の系統的指導』(1984・明治図書出版) ▽小林一仁著『バツをつけない漢字指導』(1998・大修館書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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