方違(読み)かたちがえ

精選版 日本国語大辞典 「方違」の意味・読み・例文・類語

かた‐ちがえ‥ちがへ【方違】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 方向を違えること。あちこち折れ曲がって続くこと。
    1. [初出の実例]「墱道邐倚(カタチカヘ)にして以て正に東せり」(出典:猿投本文選正安四年点(1302)一)
  3. くいちがうこと。思うことと逆になること。
    1. [初出の実例]「昔見しあまのりなり。色形あぢわひもかはらず。など我父母かはらせ給けんと、かたちがへなるうらめしさ」(出典:日蓮遺文‐新尼御前御返事(1275))

かた‐たがい‥たがひ【方違】

  1. 〘 名詞 〙かたたがえ(方違)
    1. [初出の実例]「安元の比(ころ)ほひ、御方違(カタタガヒ)〈高良本ルビ〉の行幸有しに」(出典:平家物語(13C前)六)

かた‐ちがい‥ちがひ【方違】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 方向が違うこと。互い違いになること。食い違うこと。
    1. [初出の実例]「二風輪を挙げて、参差(カタチカヒに)して相ひ押せ」(出典:大日経天喜六年点(1058)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「方違」の意味・わかりやすい解説

方違
かたたがえ

方位観によって凶方にあたる方角を避けようとするための呪術(じゅじゅつ)的手段。平安時代に伝来し、普及した陰陽道(おんみょうどう)の方位による吉凶説から生じた風習だといわれている。天一神(なかがみ)、八将神(はっしょうじん)、金神(こんじん)などが遊行する方角を避けるのである。この避けるべき方角を方塞(かたふたが)りという。方塞りの方角へ行くのを忌むことが方忌(かたい)みである。目的地が方塞りの方角にある場合には、方忌みのために他の方角の所で泊まり、翌日改めて方角を変えて出かける。このように方角を変えて目的地に達する手段を方違という。方違のために泊まる宿を方違所(かたたがえどころ)とよぶ。方忌みを犯した祟(たた)りを方祟(かたたた)りなどといった。どの方角が凶方かは陰陽師や民間宗教者、暦などによって教示されてきた。

[佐々木勝]

 また、現在の居所よりみて、禁忌の方角で造作などが行われることによって忌みが生じた際に、他所に宿することによって、その忌みを移すことが記録にみえるが、それも方違とよばれた。諸神中もっとも有名なのは、『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』が「奈加加美」(中神)とよぶ天一神で、天上にある16日間以外は遊行の方にあたる四方四維を犯すことを忌んだ。のち、安倍(あべ)、賀茂(かも)などの陰陽道の家の固定化とともに、著しく形式化した。

[杉本一樹]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「方違」の解説

方違
かたたがえ

方忌(かたいみ)のために,目的地の方角を変えていき,身にふりかかる災いをさけようとしたこと。平安初期から江戸時代まで行われた陰陽道(おんみょうどう)の禁忌・呪法。外出のたびに吉凶の方向を占い,凶方にあたる場所・方向(方塞(かたふたがり))をさけた。天一神(なかがみ)のいる方向にあたれば,前夜に1度吉方(えほう)の家に場所を移して1泊し,方向を変えて翌日目的地に出発する。凶方の日時・方位は民間の卜占(ぼくせん)者や運勢暦などによって判じられた。最も古い型は本命(生年の干支(えと))により方違をするもので,平安中期以降は天一神の遊行(ゆぎょう)方向を,平安末期からは年により忌避の方角を定める金神(こんじん)方をおもに忌避した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「方違」の意味・わかりやすい解説

方違
かたたがえ

陰陽道で方角をたがえること。外出のとき,天一 (てんいち) 神,太白 (たいはく) 神,金神 (こんじん) などの遊行する方角を避け,いったん吉方 (えほう) に移り,方角を変えてから目的地に向った。この風習は平安時代の公家社会で盛行した。

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