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方違 かたたがえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

方違
かたたがえ

陰陽道方角をたがえること。外出のとき,天一 (てんいち) 神,太白 (たいはく) 神,金神 (こんじん) などの遊行する角を避け,いったん吉方 (えほう) に移り,方角を変えてから目的地に向った。この風習は平安時代の公家社会で盛行した。

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百科事典マイペディアの解説

方違【かたたがえ】

平安〜鎌倉時代に行われた呪術(じゅじゅつ)的方法の一つ。目的地の方角が,その年の金神(こんじん)の座位であったり,天一神が巡っている方角に当たったりして悪いとき,いったん別の方角へ出て知人の家や神社,仏閣などに寄ったり,一夜を明かしたりした後,目的地へ向かうこと。
→関連項目吹田吹田[市]物忌

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世界大百科事典 第2版の解説

かたたがえ【方違】

陰陽(おんみよう)道むとされる方角を避ける風習。外出するのにその方角が禁忌とされる場合,前日に他の方角へ赴いて泊まり,そこから目的の地にゆくものである。方忌の根拠としては生年の干支である本命から個人的に凶方を割り出し,これを避けるものと,天一神(中神(なかがみ)),太白神,金神,王相,八将神,土公神などの諸神が遊行する方角や鬼門を忌む人々に共通のものとがある。前者は865年(貞観7)8月21日に清和天皇東宮より内裏に移ろうとしたとき,天皇の本命が庚午で,東宮より内裏の方向である乾は絶命に当たるゆえ避けらるべきことを陰陽寮が上奏し,このためいったん太政官曹司庁に入っており,これが初例とされている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

方違
かたたがえ

方位観によって凶方にあたる方角を避けようとするための呪術(じゅじゅつ)的手段。平安時代に伝来し、普及した陰陽道(おんみょうどう)の方位による吉凶説から生じた風習だといわれている。天一神(なかがみ)、八将神(はっしょうじん)、金神(こんじん)などが遊行する方角を避けるのである。この避けるべき方角を方塞(かたふたが)りという。方塞りの方角へ行くのを忌むことが方忌(かたい)みである。目的地が方塞りの方角にある場合には、方忌みのために他の方角の所で泊まり、翌日改めて方角を変えて出かける。このように方角を変えて目的地に達する手段を方違という。方違のために泊まる宿を方違所(かたたがえどころ)とよぶ。方忌みを犯した祟(たた)りを方祟(かたたた)りなどといった。どの方角が凶方かは陰陽師や民間宗教者、暦などによって教示されてきた。[佐々木勝]
 また、現在の居所よりみて、禁忌の方角で造作などが行われることによって忌みが生じた際に、他所に宿することによって、その忌みを移すことが記録にみえるが、それも方違とよばれた。諸神中もっとも有名なのは、『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』が「奈加加美」(中神)とよぶ天一神で、天上にある16日間以外は遊行の方にあたる四方四維を犯すことを忌んだ。のち、安倍(あべ)、賀茂(かも)などの陰陽道の家の固定化とともに、著しく形式化した。[杉本一樹]

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世界大百科事典内の方違の言及

【金神】より

…金の性のゆえに金神と称された。《中右記》の1114年(永久2)の記事に,金神を忌み方違(かたたがえ)をする習俗のあったことを記し,《本朝世紀》《百練抄》《玉海》などの文献にも同様の記事がある。南北朝時代の《簠簋(ほき)内伝》には,〈金神は,巨旦大王の精魂なり〉と説き,遊行するものとされ,金神七殺の方として,甲(きのえ)己(つちのと)の年は午未申酉(うまひつじさるとり)の方,乙(きのと)庚(かのえ)の年は辰巳戌亥(たつみいぬい)の方,丙(ひのえ)辛(かのと)の年は子丑寅卯(ねうしとらう)の方,丁(ひのと)壬(みずのえ)の年は寅卯戌亥(とらういぬい)の方,戊(つちのえ)癸(みずのと)の年は子丑申酉(ねうしさるとり)の方にいると記されている。…

※「方違」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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