日本大百科全書(ニッポニカ) 「日義」の意味・わかりやすい解説
日義
ひよし
長野県南西部、木曽郡(きそぐん)にあった旧村名(日義村(むら))。現在は木曽町の東部を占める。旧日義村は2005年(平成17)木曽福島(きそふくしま)町、開田(かいだ)村、三岳(みたけ)村と合併し木曽町となった。木曽川上流の狭い谷底にあり、旧村域の周囲は急峻(きゅうしゅん)な山地。木曽川に沿ってJR中央本線、国道19号(中山道(なかせんどう))が走り、東部の権兵衛(ごんべえ)峠から伊那市へ通じる国道361号を分岐する。朝日将軍木曽義仲(よしなか)が挙兵した地と伝えられ、地名もこれにちなむ。義仲が旗揚げをした旗上八幡宮(はたあげはちまんぐう)や菩提(ぼだい)寺徳音寺(とくおんじ)など伝承の社寺があり、愛妾(あいしょう)巴御前(ともえごぜん)にまつわる伝説も多い。近世は中山道木曽十一宿の宮越宿(みやのこししゅく)であるが、当時のようすをしのぶものはあまり残っていない。南東部の駒ヶ岳(こまがたけ)山麓(さんろく)の木曽駒高原は別荘地やゴルフ場、オートキャンプ場に開発されている。
[小林寛義]