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早教育 ソウキョウイク

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デジタル大辞泉の解説

そう‐きょういく〔サウケウイク〕【早教育】

学齢に達しないうちに行う教育。また特に、秀才教育あるいは才能開発の方法として、ごく幼い時期から施す教育。

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監修:松村明
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大辞林 第三版の解説

そうきょういく【早教育】

小学校入学以前の幼児に、一定の計画に基づいて行う教育。早期教育。
すぐれた素質をもつ子供に行う高度の教育。英才教育。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

早教育
そうきょういく

従来の常識、慣行、定説などによって定められている年齢や時期よりもはるかに早くから行われる教育。早期教育ともよばれる。天才教育英才教育才能教育などと紛らわしい概念であり、事実これらはしばしば混同されている。確かに、公教育がそれほど整っていなかった時代には、エリートの家庭では子供は親の意見に従って早期から高度の教育を施されることが多かった。たとえば、17世紀にすでにフランスの哲学者パスカルの父親は、パスカルが7歳のとき官吏の職を退き、子供の教育に専心し、ラテン語ギリシア語、文法、歴史などさまざまな課目を教え、とくに知識欲の喚起に重点を置いた。この結果、パスカルは12歳のとき、三角形の内角の和は二直角だという定理を独力で証明したという。このような例は、J・S・ミル、J・ラスキン、N・ウィーナーなど、ほかにも数多く知られている。とくに、教育以外に遺(のこ)すものをもたなかったユダヤ系の学者や作家などに目だっている。日本でも、吉田松陰が兵学師範の家督を継ぐため5歳ごろから厳しい漢学の指導を受けていた例は名高い。しかし、ここから早教育イコール英才教育とするのは正しくない。ミルのようにとくに才能に恵まれた子供には、普通児よりも早くからさまざまなことを学ばせうるから、才能が先か早教育が先かはわからない。また、早教育を行っても成功しなかった例は報告されることが少ないのであまりよく知られてはいないが、当初は目だっても「二十歳(はたち)過ぎれば並の人」に落ち着くほうが数のうえからははるかに多い。ウィーナーも、彼と同時期にハーバード大・大学院に入学したいわゆる天才児たちは、ほとんど予期された成果を収めなかったと述べている。したがって、成功例だけから、早教育はかならず英才を生むと結論することもできない。また、音楽、舞踊、囲碁、外国語などの才能教育も、比較的早期に行われるほうが効果が高いことは経験的に知られているが、一つの特殊才能に熟達しても、ほかの才能一般もすべて伸びるとは限らないから、才能教育イコール英才教育ではない。おそらく、前記諸技能の教育は、ほかの技能に比べてより早期に教育の適期があるためであろう。これらの特殊例を除けば、一般的な早教育としての成功の可能性が高いのは、適切な教授法による母国語教育が言語能力を発展させやすいことくらいであろう。[藤永 保]

モンテッソリの早教育

このような古典的英才教育に対して、イタリアのモンテッソリは20世紀の初めに、独特の教具や教授法をくふうして、スラム街の現象的には発達遅滞を示す子供たちの教育を行い、生活習慣、各種技能、知的能力などを授けるのに目覚ましい成功を収めた。これは、恵まれない子供に対する早教育であるが、モンテッソリはその成功の秘密を、幼児期が他の時期に比べて独特の感受性に富む敏感期(臨界期)であるというところに求めている。現時点でみるなら、モンテッソリの成果は、単純に知能の伸長に成功したというよりは、貧困な発達環境からもたらされた遅滞の回復にあったとみられる。このような発想は、アメリカでジョンソン大統領時代に社会福祉政策の一環として、低所得階層児も中産階級児と同一線に並んで公教育のスタートを切れるようにしたいという新しい幼児教育方式としてのヘッド・スタートhead start計画などにも引き継がれていると考えられる。これらを考え合わせると、一般に適用されうる早教育とは、初期発達が独特の意味をもつという認識のうえにたち、かつ上の段階の教授方式をそのまま引き下ろすのではなく、新しいくふうや改革によって営まれるものでなければならない。これを初期教育としてよび分けたいという意見もある。[藤永 保]
『竹内義彰・豊嶋覚城編『早期教育への提言』(1971・法律文化社) ▽木村久一著『早教育と天才』(1977・玉川大学出版部) ▽ヴァレンタイン・ドミートリーヴ著、高井俊夫・山下勲監訳『ダウン症児の早期教育』(1983・同朋舎出版) ▽村井潤一著『発達と早期教育を考える』(1987・ミネルヴァ書房) ▽デイヴィッド・エルキンド著、幾島幸子訳『ミスエデュケーション――子どもをむしばむ早期教育』(1991・大日本図書) ▽依田明著『男の子 心理と育て方』(1993・あすなろ書房) ▽岡本夏木他編『講座幼児の生活と教育1 幼児教育とは』(1994・岩波書店) ▽加藤繁美著『早期教育が育てる力、奪うもの――幼児期に欠かせない人間らしさの「芯」の育て方』(1995・ひとなる書房) ▽川崎悟郎著『間違ってます、お母さん――元幼稚舎長の本音』(1996・講談社) ▽D・エルキンド他著、水田聖一編訳『早期教育への警鐘――現代アメリカの幼児教育論』(1997・創森出版) ▽無藤隆著『早期教育を考える』(1998・日本放送出版協会) ▽小宮山博仁著『早期教育をまじめに考える本』増補版(1999・新評論) ▽阪井敏郎著『早教育と子どもの悲劇』(2002・家政教育社) ▽小谷敏編『子ども論を読む』(2003・世界思想社) ▽井深大著『幼稚園では遅すぎる――人生は三歳までにつくられる!』新装版(2003・サンマーク出版) ▽藤永保著『幼児教育を考える』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の早教育の言及

【早期教育】より

…教育の始期として常識的に考えられている年齢よりも早期に教育を開始することにより,教育効果を高めようとする試み。早教育ともいい,英才教育,才能教育とほぼ同義に使われることもある。たとえば,従来就学後の教育課程のなかに位置づけられてきた文字や数の学習を,就学前教育の段階で指導したり,音楽など特定の才能を伸ばす目的で2~3歳から楽器の練習をさせるばあいに用いられる。…

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