暗示を利用した心理療法の一つ。治療者が被治療者の理性に訴えることなく、言語または非言語的な情報伝達を通じ、その思想や感情などに直接的に影響を与える暗示を手段として用い、神経症、心身症、行動異常などに治療効果を図る療法である。暗示療法は、被治療者の被暗示性の亢進(こうしん)が前提となる。催眠状態を利用する催眠療法はその典型である。被暗示性は、疲労や感情の異常興奮などによる意識野の狭窄(きょうさく)によっても高められる。暗示によって直接に症状の除去や軽減を目ざす直接暗示法、再教育的効果を目ざす間接暗示法などが区別される。暗示者と被暗示者とが同一の場合は自己暗示といい、近来しばしば応用される自律訓練法はその一種である。
[懸田克躬]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…一般に暗示には暗示者の威光が関係しているが,とくに意図的に威光を利用する暗示を〈威光暗示〉という。暗示は一方では神経症や心身症その他の不適応状態の治療に心理療法の一つとして積極的に利用されており,それを〈暗示療法〉というが,他方ではコミュニケーションの一手段として,宣伝,教化,洗脳,群集心理の操作,政治,教育などにも利用されている。催眠【児玉 憲典】。…
…治療の目的や方法によりさまざまな治療法がある。代表的な治療法として,他者催眠では,暗示によって直接,症状を除去しようとする方法を暗示療法suggestion therapyといい,古くから広く用いられてきた。症状の除去のみならず,痛みの軽減など感覚閾値(いきち)を変化させる暗示を与えることによって,手術などの治療法の補助的手段としても用いられる。…
※「暗示療法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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