百科事典マイペディア 「曾禰荘」の意味・わかりやすい解説
曾禰荘【そねのしょう】
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伊勢国一志郡(現,三重県松阪市北東部付近)の荘園。醍醐寺三宝院門跡領。889年(寛平1)以前,藤原玄上によって立荘され,928年(延長6)ころ玄上より後院朱雀院が買得し,948年(天暦2)には醍醐寺に施入された。953年,957年(天徳1)に太政官符,民部省符によって不輸・臨時雑役免が認められた。荘田140町余。平安時代にはたびたび臨時雑役賦課をめぐって国司と対立している。1166年(仁安1)平信兼が預所に補任され,この地に勢力を及ぼしたが,信兼がその所職を没官された後には山内首藤経俊が地頭に任ぜられて入部した。経俊失脚後は地頭は廃されたが,承久の乱後の一時期,本間家茂が補任されたこともある。その後,預所には寺僧が任命されることが多かった。公文は橘氏が世襲し,1222年(貞応1)に基高,46年(寛元4)に良範,1338年(延元3・暦応1)に範明の名がみえる。47年(正平2・貞和3)百姓請が行われたが,15世紀には北畠氏が代官となり,実質的には同氏の所領と化した。1565年(永禄8)大湊(現,伊勢市)の入港船にその名がみえるのを最後として,荘名は消える。建長(1249-56)・文永(1264-75)年間に惣検地が,建武(1334-38)年間に新田検地が行われたことが知られる。
執筆者:稲本 紀昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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