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有機農業 ゆうきのうぎょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有機農業
ゆうきのうぎょう

自然農法ともいう。近代農業が化学肥料と農薬を武器に省力型農法によって推進されているのに対し,土壌中の腐植などの有機物を栄養に作物をつくる本来の農業のあり方をいう。最初に体系づけたのはドイツの農学者 A. D.テーアで,堆肥づくりを奨励し有機栄養説を唱えた。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

有機農業

農薬や化学肥料などの人工的な農業資材を使わずに、動植物の生命力に依拠する農法。食品の安全性や環境との調和などの理由で注目を集めている。1971年には、日本有機農業研究会が誕生した。80年代前後まで有機農産物の流通は限定的だったが、90年代に専門の配送会社やインターネット産直が広がり、今では量販店や外食産業にも普及している。有機農業を環境保全型の1つと見なす考え方があるが、持続的農業導入促進法による環境保全型農業の定義は化学肥料や農薬による環境負荷の軽減を目指すだけで、有機農業と本質的に違うという意見も根強い。2005年から有機農業推進議員連盟などの有機農業推進法の制定を求める声が強くなり、06年12月8日に成立した。さらに、同法が定める有機農業の推進に関する基本的な方針が07年4月27日に発表された。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

有機農業

環境負荷の軽減などを目的に、化学肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わない農業。有機JAS認証制度では、農水大臣に登録した認定機関から認定された生産者が「有久の表示をできる。田畑は種まき前に2年以上、化学肥料・農薬を使用していないことが条件。県によると、県内の有機農業者は92戸で総農家数の0・23%(08年)。そのうち、有機JAS農家は21戸だった。

(2010-11-11 朝日新聞 朝刊 富山全県 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ゆうき‐のうぎょう〔イウキノウゲフ〕【有機農業】

有機栽培で行う農業。安全で味のよい農産物の生産をめざす。

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百科事典マイペディアの解説

有機農業【ゆうきのうぎょう】

1971年結成の日本有機農業研究会は〈環境破壊を伴わず,地力を維持培養しつつ,健康で味のよい食物を生産する農法〉を有機農法と称し,こうした農法で営まれる農業を有機農業という。
→関連項目コンポスト

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうきのうぎょう【有機農業】

第2次大戦後の日本農業は,いわゆる〈近代化〉農業として,化学肥料や農薬の大量使用を基本においた化学農法により推し進められてきた。しかしこのような農法は,農民には急性・慢性の農薬中毒を多発させるとともに,消費者にも残留農薬についての深刻な不安感を与えることとなった。またそれは,天敵を含む各種の生物,微生物をつぎつぎと死滅させ,河川や海洋を汚染して著しい環境破壊をもたらした。さらに,土壌の物理耐性,化学的・生物的条件の劣悪化による地力の減退,低下が進行した。

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大辞林 第三版の解説

ゆうきのうぎょう【有機農業】

農業の自然循環機能を積極的に活用し、肥料・農薬に化学製品の使用を避けて有機肥料を投入、土壌中の生態系を活用して地力を培つちかい、安全な食糧生産をめざす農法および農業。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有機農業
ゆうきのうぎょう

アメリカで行われているorganic farmingを日本語化したもので、1971年(昭和46)に発足した日本有機農業研究会の活動によって広く知られるようになった。西欧諸国では生物農業または生態系農業とよばれている。日本ではオーガニック農業ともよばれている。有機農業は、化学肥料・農薬などの化学物質の使用を前提とする現代の化学農業への批判として生まれた。その一般的特色は、堆肥(たいひ)や厩肥(きゅうひ)などの有機質肥料によって地力を高め、病虫害に強い健康な作物を育てて、化学肥料や農薬を無用化しようとするところにある。
 ただし、農薬にかわる方法については、なお試行錯誤の段階にある。たとえば除草剤のかわりにカブトエビ、アイガモ、コイ、フナなどで除草したり、敷き藁(わら)や古紙などの被覆で雑草を押さえる方法などがある。殺虫剤、消毒剤にかわる防除技術としては、木炭、竹炭とその酢液の利用、天敵利用などが試みられているが、なお開発途上の段階にある。とはいえ、有機農業は、有機質や生物エネルギーの農場内循環に留意しながら農地の地力を養い、さらに適正な輪作、多品目栽培、生物学的防除などによって健康な作物の生育を図り、自然環境と調和した安全で味のよい農産物の生産を目ざして着実な成果をあげている。有機農業と類似のものに自然農法があるが、生態系や生命系を尊重し、農業の化学化を拒否して土づくりを重視する点では有機農業と基本的に同じである。
 有機農業はまた、単に一つの農法であるにとどまらず、一種の社会運動的な色彩を帯びるようになってきている。すなわち、風土に根ざした食生活の見直し(身土不二(しんどふじ)の思想)、食糧の地域内自給の運動、有機農産物の流通をめぐる生産者と消費者の提携(産消提携)、農村と都市との協力・結合、環境・エネルギー問題への積極的関与、工業化社会の価値体系の転換など、新しい文化の創造運動としても注目を浴びている。1999年(平成11)には日本有機農業学会が設立され、有機農業に関する科学的成果が期待されている。
 一般に有機農業は手間がかかり、規模拡大に限界があるために現代化学農業に比べてコスト節減が困難である。そのため有機農産物の価格は割高である。それにもかかわらず、ダイオキシン、環境ホルモン、遺伝子組換え食品などに不安をいだく消費者は、有機食品(オーガニックフーズ)への需要を年々高めている。
 そこからその品質を制度的に保証する必要が生じ、2000年6月に改正JAS法(「改正農林規格・品質表示法」。正式には「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律」)が施行され、有機食品の検査・認証制度が発足した。有機食品の品質基準はこれによって欧米なみに適正化され、消費者の選択に便宜を与えることになった。しかし、生産者にとっては、厳しい品質基準をクリアする必要から生じるコスト高のほかに産直に与える影響や輸入食品との競争など、多くの問題が予想される。[坂本慶一]

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