朝熊山(読み)アサマヤマ

デジタル大辞泉 「朝熊山」の意味・読み・例文・類語

あさま‐やま【朝熊山】

伊勢市南東部にある山。標高553メートル。山頂金剛証寺がある。近世伊勢参宮の巡拝地の一つとしてにぎわった。朝熊ヶ岳。あさくまやま。

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精選版 日本国語大辞典 「朝熊山」の意味・読み・例文・類語

あさま‐やま【朝熊山】

  1. 朝熊ケ岳(あさまがたけ)別名三重県伊勢市の東部にある山。空海が修行したといわれ、山頂には臨済宗金剛証寺がある。標高五五三メートル。あさくまやま。

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改訂新版 世界大百科事典 「朝熊山」の意味・わかりやすい解説

朝熊山 (あさまやま)

朝熊ヶ岳ともいう。三重県伊勢市の東端にあり,志摩半島の最高峰。標高555m。山頂からは伊勢湾,志摩の海食台地,神宮林,太平洋の眺めがよく,伊勢志摩国立公園の一部をなす。山上を経て伊勢市と鳥羽市とを結ぶ伊勢志摩スカイラインが1964年開通した。山頂に近く臨済宗の名刹(めいさつ)金剛証寺があり,近世には伊勢参宮にあたって朝熊参りをすることが多く,にぎわった。寺の周辺には経塚群(約40基)があり,出土品(国宝)は金剛証寺宝物館に保存されている。
執筆者:

朝熊山の信仰は,複雑な内容をもっており,山岳信仰全体のなかでも独自の地位を占めている。たとえば多数の経塚群が発見され,阿弥陀浄土・弥勒浄土の信仰が顕著であったこと,〈朝熊かけねば片参り〉と言われるように伊勢参宮習俗と結びつき,伊勢神宮の山宮的性格を有していること,〈あさまやま〉と呼ばれていることでも明らかなように富士浅間信仰との結びつきがみられることなどをはじめ,農耕神・狩猟神としての性格ももっている。こうした信仰内容を含めて,朝熊山の信仰は〈嶽参り〉と呼ぶ登拝習俗が代表しているといえよう。嶽参りは初参り開山忌などに参るもの,埋葬翌日から一周忌の間に参るもの,盆に参るものとに大別できる。このうち初参り(1月13日)は十三参りとも呼ばれて成人儀礼と結びつき,金剛証寺の虚空蔵信仰に由来するが,死者の埋葬の翌日から一周忌までの間や盆の期間に行う嶽参りは死者供養・先祖供養の儀礼で,死後の霊魂が山中にとどまるとする山中他界観をよくあらわしている。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朝熊山」の意味・わかりやすい解説

朝熊山
あさまやま

三重県中東部,伊勢市東部の山。朝熊ヶ岳ともいう。標高 555m。南峰に臨済宗南禅寺派の中本山金剛証寺があり,伊勢神宮の鬼門を守る寺として知られる。朝熊山経塚群 (国指定史跡) の発掘により,保元1 (1156) 年から文治2 (1186) 年までの銘のある多くの経筒,鏡などが出土し,伊勢国朝熊山経ヶ峯経塚出土品として国宝に指定。本堂は桃山時代の建築で国の重要文化財。伊勢志摩スカイラインが通じる。伊勢志摩国立公園に属する。

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百科事典マイペディア 「朝熊山」の意味・わかりやすい解説

朝熊山【あさまやま】

朝熊ケ岳

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事典・日本の観光資源 「朝熊山」の解説

朝熊山

(三重県)
日本百景」指定の観光名所。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「朝熊山」の意味・わかりやすい解説

朝熊山
あさまやま

朝熊ヶ岳

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世界大百科事典(旧版)内の朝熊山の言及

【金剛証寺】より

…勝峯山兜率院(とそついん)と号する。伊勢市南郊の朝熊(あさま)山上にあって,脚下に伊勢湾,遠く中部の連峰を一望におさめる。もと禅密兼学,いま臨済宗。…

※「朝熊山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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