杉田村(読み)すぎたむら

日本歴史地名大系 「杉田村」の解説

杉田村
すぎたむら

[現在地名]磯子区杉田町・杉田一―九丁目・中原なかはら二丁目・同四丁目、金沢かなざわ富岡とみおか

東は海に臨み、南は富岡村、北は森中原もりなかはら村、西は中里なかざと村に接する。西境を金沢かねさわ道が通る。海浜一帯は屏風浦びようぶがうらとよばれた(風土記稿)。文亀三年(一五〇三)三月一三日の快延・慶俊連署奉書写(県史三)は「武州杉田幸蔵□□房」に宛てられている。「快元僧都記」天文二年(一五三三)一〇月二八日条によれば、鎌倉鶴岡八幡宮の修造のため蒔田(吉良氏)から寄進された檜・杉・樅などの材木が「杉田浦」へ着き、北条氏は材木を鎌倉まで引く人夫五万人を徴発したという。同八年四月五日の旦那願文(熊野那智大社文書)には「武州久良気之郡杉田郷」とある。年未詳七月二六日の道寸(三浦義同)書状(県史三)には「杉田郷之内平山寺領中里村」とみえる。

杉田村
すいたむら

[現在地名]土佐山田町杉田

みやくち村の北、西南流する物部ものべ川が向きを南に変える辺りの東南岸に位置する。片地かたじ(村)一三ヵ村の一で、明治初年片地村となる。

天正一六年(一五八八)の山田郷地検帳に杉田村として九五筆が記されるが、その大部分は杉田名とある。しかし若干宮口名もある。総地積は七町七反余で、傍士氏・宮口氏らの一〇筆を除くと残りは名本の大良衛門ら十数名の無姓の居住者の抱地とある。

元禄地払帳によると本田高七七・一一一石、そのすべてが桐間将監の知行。新田高は五三・三〇七石で、うち貢物地三〇石余、残りは四名の領知。寛保郷帳では家数三二、人数一六〇、牛一一、馬三、猟銃一。本田の知行主桐間氏は、物部川上流の支流萩野はぎの川より取水橋川野はしかわの(現香北町)を経て、当村川奈呂かわなろ大滝おおだきたけクロへと流れる杉田溝を引いたが、この溝は四筋に分れて耕田七町余を灌漑

杉田村
すぎたむら

[現在地名]富士宮市杉田

若宮わかみや村の東、富士山南麓の丘陵に立地する。地内を浸食谷慈眼寺じげんじ沢・天間てんま川が流下する。中世は杉田郷と称した。弘治二年(一五五六)五月一〇日の今川義元判物写(安養寺文書)に「富士大宮内杉田郷」とみえ、富士浅間社(富士山本宮浅間大社)領であった。義元は当郷の先の地頭が安養あんよう(現曹洞宗)に寄進した郷内の畠・山屋敷などを同寺領として認めているが、先の地頭とは富士浅間社の社人とみられる富士図書助のことであった(永禄七年七月一八日「今川氏真判物写」同文書)

杉田村
すぎたむら

[現在地名]南小国町赤馬場あかばば

杖立つえたて川と中原なかばる川に挟まれ、南は赤馬場村、北半里に北里手永の中心地宮原みやのはる(現小国町)がある。文明一六年(一四八四)八月二八日の阿蘇十二社同霜宮最花米注文(阿蘇家文書)には、「かふりかた」のなかに村名があり、近世に小村とされる上井手かみいで下井手しもいで鳥越とりごえ平瀬ひらせなどが記され、それぞれ銭と豆を負担している。このうち平瀬は、正平一八年(一三六三)閏一月二五日の阿蘇社造営料木納帳(同文書)では梁一支を負担している。また阿蘇社年中神事次第写(同文書)によると、一一月に行われる北宮社の火迎の祭の料足を勤める郷村二五ヵ所のなかに平瀬がみえる。

杉田村
すぎたむら

[現在地名]一宮町杉田

揖保いぼ川の支流引原ひきはら川の下流右岸に位置し、対岸は東安積ひがしあづみ村、南は西安積村。慶長国絵図に「須木田村」とみえる。領主の変遷は延宝七年(一六七九)まで西安積村と同じ。同年幕府領(「本多家譜」東京大学史料編纂所蔵など)、享保元年(一七一六)安志藩領となり幕末に至る(延享三年「小笠原長逵知行目録」小笠原家文書、旧高旧領取調帳など)正保郷帳に杉田村とみえ、田方九三石余・畠方五六石余。下村氏手控帳(下村家文書)によれば、寛文―延宝(一六六一―八一)には田八町余・畑五町一反余、家数二六・人数一三六、馬一三・牛二三。当村には安志藩杉田組八ヵ村(須行名村・市場村・構村・東安積村・上野田村・能倉村・東河内村・杉田村)の大庄屋を勤めた下村家が存在した。

杉田村
すぎたむら

[現在地名]八尾町杉田

寺家じけ村の東方、神通川左岸にある。もとは杉原野すぎはらの村の内。享保六年(一七二一)の村付高改帳(島倉家文書)では高八五六石余。寛政二年(一七九〇)の新田高九六四石余・平均免一ツ七歩一厘余、銀納畠は一万三千四一歩(一〇〇歩につき一匁二分)、銀納林は三八〇歩(一〇〇歩につき一匁六分)、小物成銀は柳差役一匁余(高物成品々手鏡)。幕末の銀納高一千二五石余・免三ツ三歩、小物成銀は変わらない(古高免小物成銀等書上)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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