板室温泉(読み)いたむろおんせん

日本歴史地名大系 「板室温泉」の解説

板室温泉
いたむろおんせん

[現在地名]黒磯市板室

那珂川上流の渓谷川が那珂川に注ぐ所にある。板室温泉とも塩沢しおざわの湯ともよばれ、一般には板室温泉と称される。明治期までは那須七湯の一に数えられたが、那須温泉(那須郡那須町)とはかなり離れているため、今日は区別されている。康平二年(一〇五九)那須三郎宗重が狩の際に発見したと伝えられる。泉質は単純泉で泉温は摂氏三八度、無味無臭無色透明で、中風・神経痛に効く名湯とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「板室温泉」の意味・わかりやすい解説

板室温泉
いたむろおんせん

栃木県那須塩原市(なすしおばらし)の那珂(なか)川上流部、塩沢にある那須温泉郷(なすおんせんきょう)の一湯。塩沢の湯ともよばれた。泉質は単純温泉。古くから下野(しもつけ)の薬湯として有名で現在も老人湯治客が多いが、湯治場から温泉観光地へと脱皮しつつある。那珂川上流の深山(みやま)ダムを経て、三斗小屋(さんどごや)、那須(なす)岳方面へ登山道も通じ、紅葉のシーズンに観光客が多い。国民保養温泉地指定されている。那須高原の自然や温泉について学べる板室自然遊学センターがある。JR黒磯駅からバス35分。

[櫻井明久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「板室温泉」の意味・わかりやすい解説

板室温泉
いたむろおんせん

栃木県北部,那須岳の南西麓,湯川の渓谷に位置する温泉。那須温泉郷に属する。泉質は単純泉。泉温は 35~46℃。古来動脈硬化症に特効があるといわれ,湯治客が多い。国民保養温泉地に指定。那須岳への観光ルートも開かれ,観光地となった。付近は日光国立公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「板室温泉」の解説

板室温泉

栃木県那須塩原市、那珂川上流にある温泉。塩沢の湯とも。那須温泉郷の温泉のひとつ。古くから“下野の薬湯”と呼ばれ湯治客が多い。1971年、国民保養温泉地に指定。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android