板額(読み)ハンガク

デジタル大辞泉 「板額」の意味・読み・例文・類語

はんがく【板額】

鎌倉時代勇婦城資盛じょうすけもりおば建仁元年(1201)資盛が源頼家に抗し越後挙兵した時、陣頭に立って奮戦したがついに捕らえられた。のちに浅利義遠よしとおの妻。生没年未詳。

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精選版 日本国語大辞典 「板額」の意味・読み・例文・類語

はんがく【板額】

[1] 鎌倉初期の勇婦。越後国新潟県)の城九郎資国の娘。建仁元年(一二〇一)、甥の城資盛が鎌倉幕府に対して挙兵した際、その陣頭で戦った。捕虜となっても、屈することなく、浅利義遠がその態度に感じ入って妻とした。生没年未詳。
[2] 〘名〙 ((一)の伝説から) 体格がたくましく、容貌の醜い女をあざけっていう語。

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改訂新版 世界大百科事典 「板額」の意味・わかりやすい解説

板額 (はんがく)

平安末~鎌倉初期の女性。生没年不詳。越後の豪族城氏の一族。1201年(建仁1)城長茂(ながもち)が京都で倒幕の兵を挙げ,敗死すると越後奥山荘鳥坂城ではその甥資盛が籠城して幕府軍と戦った。板額はこのとき城中にあって奮戦,幕府軍を悩ませた。女性の身での武勇源義仲の妾巴御前とならぶものとされ,落城後鎌倉に送られたが,甲斐の御家人阿佐利氏に請われ同氏に嫁したと伝えられる。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「板額」の解説

板額 はんがく

?-? 鎌倉時代の女性。
越後(えちご)(新潟県)の豪族城資国の娘。生まれつき力がつよく,弓術にすぐれた。城長茂(ながもち)の反乱に呼応して,正治(しょうじ)3年(1201)甥(おい)の城資盛とともに挙兵,幕府軍とたたかう。百発百中射芸で奮戦するが捕らえられ,のち甲斐(かい)源氏浅利与一の妻となった。坂額ともかく。

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百科事典マイペディア 「板額」の意味・わかりやすい解説

板額【はんがく】

鎌倉初期の女性。生没年不詳。城資盛の姨(おば)。大力で弓をよくした。1201年,資盛が源頼家に抗して越後で挙兵したとき,板額は髪を束ね童形になり,強弓を引いて勇戦したが捕らえられ,鎌倉に送られた。阿佐利義遠(よしとお)がその勇を惜しみ,頼家に請うて妻にしたという。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「板額」の解説

板額
(通称)
はんがく

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
板額門破 など
初演
元文1(京・中村富十郎座)

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